病室の星より
本田憲嵩
ほんとうに、
たいせつなものは、
かたちを、
とらない、
いつも、
うしなって、から、
はじめて、
たとえば、
じぶんの健康のかけがえのなさ、
のように、
まるで病室の白いカーテン越しに、覗いている、
冬の正午の太陽、
その、
ぬくもり、
のように、
あるいは、
その、
所在不明、
となってしまった、
健康が、
所在不明、
になったままで、
孤独、
という病魔の隔たりによって、
その耀きが、
ますます増幅、
されて、
ゆくのを、
ずっと、そばにいる、
あなたの、
あのときの、
言葉の、ぬくもりを、
たしかに失われている、
はずなのに、
けっして、
失われては、いない、
あなたのやさしさと、報いの、太陽、
然るべき、