海図なき航海
あらい

両手で作り上げる天罰に、未来などない今

喚呼ゲゼルシャフトの落書に凌辱の喇叭を

花鳥山海にたらしめる、すばらしい収束点

砂の海に水光、青海原の天使は悠久と解く



呪われし獣の極点のさわり寓話金色の放吟

無声映画の烙印を舌端の火膨れで略する他

SILENT NIGHT 心身と焦げ点いた 眼光で

いのりねがいけがれねむり〈絞殺〉の殊更



ユキヒトヒラにてのひらに平にぶら下がる

呂律の濁流が苦楽を退けて猶降り懸る身に

雨混じりの雪の華、暗がりの未知を往く為

駆け出した我儘に片鱗を降ろし、躍り廻る



淡水魚の群れが舞台から噎せ返る聖遺物と

清らかな水源に、甘ったるい歯牙を齧れば

アルバムの染み抜きを熾した 白紙の足跡

銀盤の指を折る、一筋の光を撫でるままに


自由詩 海図なき航海 Copyright あらい 2022-12-25 03:01:08
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