海図なき航海
あらい
両手で作り上げる天罰に、未来などない今
喚呼ゲゼルシャフトの落書に凌辱の喇叭を
花鳥山海にたらしめる、すばらしい収束点
砂の海に水光、青海原の天使は悠久と解く
呪われし獣の極点のさわり寓話金色の放吟
無声映画の烙印を舌端の火膨れで略する他
SILENT NIGHT 心身と焦げ点いた 眼光で
いのりねがいけがれねむり〈絞殺〉の殊更
ユキヒトヒラにてのひらに平にぶら下がる
呂律の濁流が苦楽を退けて猶降り懸る身に
雨混じりの雪の華、暗がりの未知を往く為
駆け出した我儘に片鱗を降ろし、躍り廻る
淡水魚の群れが舞台から噎せ返る聖遺物と
清らかな水源に、甘ったるい歯牙を齧れば
アルバムの染み抜きを熾した 白紙の足跡
銀盤の指を折る、一筋の光を撫でるままに