雪が落ちてくる
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 ゆきが おちてくる

海がひろく
不思議な 音をたてていた

灰いろの山と 横たわると
風にも 鳥にも 色いろあると分かる
やさしくしたい けれど
今のぼくには できない

 ゆきが おちてくる

はだしで たたされたあの日
あの日も ゆきは あたたかで

かたい目を
笑いながら ぶたれた日
ぼくも仔犬をぶった おなじ笑顔で
怯える いきもののぬくみ

 ゆきが おちてくる

今日は できることがすくないよ
どこに 靴を忘れたか
大人の強さと 子どもの強さはちがうから
弱さも やさしさも
怒りも かなしみも
なにかの一部 なにかの途中

あした 嵐になるらしい
このひろがりが
波のかがやきが
教えてくれたから

 ゆきが おちてくる

 ゆきが おちてくる

 よるが来ても



自由詩 雪が落ちてくる Copyright soft_machine 2022-12-18 20:35:52
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