ガラスのはね
はるな


遠くまで
悲しみを はこぶのに
蝶をつかった

少しずつ
少しずつ
悲しみをちぎっては
蝶たちの背にのせた
けれども
かなしみは もう
重すぎて
蝶はみな とべなくなった

それから ひとは
ガラスの蝶を つくった
うすく 頑丈な翅は 美しく
透かしもようが 光に溶けるから
みんな そこにいて
悲しみを かなしんだ



自由詩 ガラスのはね Copyright はるな 2022-12-14 01:14:58
notebook Home 戻る