しのび足ブルース
soft_machine
ぼく達が 猫にするように
猫もぼく達をアイコンにするとしたら
吹きこぼれそうな世界にも
意外と芯がやわらかい
救いが見つかるかも知れないね
そんな風にしのび
ひと粒のみかん 皮ごとほお張って
こたつの中に消えてしまえる
音符じゃない
湿る足おと
歌詞じゃない
くぐもった冗句
雑餉のお囃子はただ発する
つながり難いもの達が
力ごと枯れ木を焚べ 火を移す
とりかこむ輪
乾いた瞳
獣の姿をした夜が明け
これっきりブルース
ひろい集めたフレーズ 途切れさせない
しのび足で咥え去る
レース越しに
冬の斜光が
かすかな熱を伴って射しこむ
きみだけが そこに音楽を見いだす
けれどその一瞬こそが
ぼく達の祈り