ガージェス・ノルディア(七)
朧月夜

その時だった。一つの声が響いた。
「助けてください! グーリガン様! アイソニアの騎士様!」
それは、イリアス・ナディの声だと思われた。
「イリアス? 無事なのか? まだ生きているのだな!」

「生きております。グーリガン様! この男の脅しに屈してはいけません!」
それは、十三歳の少女の声としては、あまりにも凛としていた。
(もしや、彼女は死を覚悟していたのでは?)と、アイソニアの騎士は思う。
「今、ヨランという方が、わたしを救い出してくださいました!」

盗賊ヨランは、アイソニアの騎士がガージェスと話している間に、
次元跳躍を使い、イリアスを助け出していたのである。
「よくやったぞ、ヨラン! イリアスに怪我はないのだな?」

「拷問された様子はありません。しかし、弱っておいでです」と、ヨラン。
「わたしも、次元跳躍を繰り返すことは、心身への負担を強いるのですが」
「正義のためだ。今は耐えてくれ、ヨラン!」  


自由詩 ガージェス・ノルディア(七) Copyright 朧月夜 2022-12-11 12:41:45
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クールラントの詩