ガージェス・ノルディア(一)
おぼろん

アイソニアの騎士の勘は当たった。
ハンザガルテのマチーリニア地区にある、神殿の地下室で、
イリアスを預かっているという伝言が、
アイソニアの騎士の元へと届けられたのである。

その場には、盗賊ヨランの他、ハザック・アザンも同席していた。
「見立て通りだな。連中も功は急いでいるらしい。
 予定ならば、エインスベルの処刑は二日後だった。
 その裁判は、茶番となっていたことだろう」と、アイソニアの騎士。

「同意でございます。敵は、騎士様をどのように扱おうというのでしょうか?」
怪訝に満ちた表情で、ハザック・アザンが尋ねる。
「クールラントへ呼び戻そうというのか、あるいは俺を殺すことだろう」

「クールラントは物騒な国になりましたね。驚いてしまいます」
「ヒスフェル聖国ほどではない。連中は何かを企んでいる」アイソニアの騎士が答えた。
「たしかに、今度の戦争でもヒスフェル聖国が鍵を握るでしょう」


自由詩 ガージェス・ノルディア(一) Copyright おぼろん 2022-12-09 07:17:45
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クールラントの詩