マボロシ
ひだかたけし

灯り消え
夜闇に
鎮まる
街、家々

わたしは
独り寝の床、
整え
眠薬服し
蒲団被る


人は毎夜、
深い眠りに
恒星たちの
うた、聴く
という

意識失い
光のうた、
忘却して
朝に目覚める

死に、至るまで
この世の生、
終えるまで

この意識を、
眠りの最中覚醒させ
聖なる宇宙を刻み込む

それは
ただのファンタジー


人生という現実
人生という物語







家々、今夜も灯り消し
人々、今夜も眠り入る

わたしは独り寝の床に
ふと浮かぶマボロシ、みる

恒星の光のうた響く
マボロシは生々しく

やがて

白い小部屋に肉の重み、
疼く病に灯り消し

今夜も切迫する悪夢に入る





自由詩 マボロシ Copyright ひだかたけし 2022-12-08 23:36:35
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