「クレクレ星人が師走に想うこと」
ジム・プリマス
財務省と結託している緊縮財政派の御用新聞が、今度は日銀の保有国債に含み損が生じたと騒いでいる。日銀が債務超過になって破綻するとでも言いたいのだろうが、ここまでくるとザイセイハタンガー的オオカミ少年だ。
なんとしても財務省を中心とする、緊縮財政派としては、新規国債の発行は拒否し、緊縮財政路線を堅持したいのだろうが、その主張がいかに、天動説的な、迷信と事実誤認に満ちたものであるか、ということが、少しずつバレ始めたような気がする。
それに対して積極財政派が掲げる、現代貨幣理論(貨幣の信用創造など)は地動説的で、科学と現実の経済に基づいたものである、という事実が、静かに、重きをもって、浸透し始めているが、まだまだ少数派であることは否めないところだ。時間がたてば、その勢力は増すだろうが、いまの日本にそれを座して待っている時間はない。
四半世紀に及ぶデフレ不況による、生産手段(財やサービスの供給能力)の毀損が著しい日本は、今、政府が、積極的に財政出動しなくては、生産手段(財やサービスの供給能力)を支えている「人」そして、その人が持つ、「技能、経験、技術」その基盤となる「資本」それらを含めた「日本の文化」を永遠に失ってしまう恐れがあるからだ。
クールジャパンと言われている日本の漫画や日本のアニメの担い手である、漫画家さん、漫画のアシスタントさん、声優さん、アニメーターさん、などの若い世代の人たちも、インボイス制度が導入されれば大打撃を受けることになる。そうなれば日本の強みであるエンタメ文化も永遠に失われてしまう恐れ大だ。映画界や演劇界も同じ危機を抱えていると言えるだろう。
官民の隔てなく、世代の隔てなく、中央と地方の隔てなく、インボイス制の導入や、防衛費の増額を皮切りに、「日本の国土」と「日本の文化」が、失われてしまう事態に対する、議論を深めなくてはならない。家族、職場の仲間、地域の人々、そういった小さな共同体でこそ、この議論を深めていかなくてはならない。
高齢世代の人々に伝えたい、「親の意見と冷酒は後になって効いてくる」と言いたいところだろうが、ことマクロ経済については「自らが背負う子に教えられ」の理のほうが大切になると思う。
追伸
映画「君たちはまだ長いトンネルの中」を是非、見て下さい。もうすぐ動画配信も始まると思うので。