食べ残したから
竜門勇気


わたし、夏のある日、グラウンド、土の中、埋まってた

その日、ミサイル、飛んだから、サイレン、ずっと鳴ってた

教室の、クラインの壺、餌やり当番、死んじゃった

秘密だよって、嘘つき、詐欺師。あなたがきらい。


わたし、夏のある日、バスが走る、道歩いてた

その日、ミサイル、落ちたから、みんな、死んじゃってた

教室の、真っ赤な花瓶、優しい人達、死んじゃった

ずっとだよって、嘘つき。ペテン師、あなたがきらい。


わたし、あそこで、やってないこと、ある

わたし、あそこで、おわらせてないこと、ひとつある

だから、ほかのこと、ぜんぶ、おわっちゃったんだ

だから、あの人いがい、ぜんぶ、おわっちゃったんだ


わたし、夏のある日、グラウンド、雨に振られてた

わたし、ミサイル、落ちるの、しってた

ペテン師、嘘つき、詐欺師。わたし、あなたがすき

わたし、嘘つき、詐欺師、ペテン師。あなたがすき


わたし、あの夏、濡れて、グラウンド、埋まってた

あの日、ミサイル、落ちたから、誰も、こなかった

神様の、こえがして、ひとりぼっち、じゃないって、わかった

ひとりぼっち、わたし、だけじゃない


運命が食べ残したから、ここにいるわけじゃない

わたし、嘘つき、詐欺師、ペテン師。あなたがすき



自由詩 食べ残したから Copyright 竜門勇気 2022-11-17 22:55:00
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