今日という時
ひだかたけし

痛む眼、病んだ肉体
青い空、道行く人々

街は今日に開かれ、

ぽつん、ぽつりと
言葉をあらわし

わたしは私を突き放つ、

晩秋の街並みに
繋がり起立し

深く浅く息を継ぎ、

行き交う人、一人一人を
静観する

 青森から、焦がれ東京に出てきた君、
 君は今日も患者のオムツを代え





痛む眼、病んだ肉体
青い空、道行く人々

街は今日に開かれ

私はわたしの異邦人

自らの課題に身を委ね
肉を引き摺り生を刻む

到来する死に備え、
日々努めながら
今日という時を生きる

老いゆく自分を見つめ、

狂うを正し、

光のなかを叡智が生き









自由詩 今日という時 Copyright ひだかたけし 2022-11-06 11:17:15
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