あいさつを しない おじさん
ダンテ カフカ ランボー




あいさつを しない おじさんが 公園のラジオ体操に くる

わたしより としうえの はずだが

歳より 若く みえる

ふとって いる せいだろうか




この おじさんには 30年まえに にも出会った

近所のひとだ

当時から この おじさんは あいさつを しなかった

こちらから あいさつを しても ただ うえむいて 無視してた

だから この人は こんな人なんだと 内心 嫌っていた




さいきん 公園の ラジオ体操に くるように なった

あいかわらず だれにも あいさつは しない

いつも ひとりで いる

さみしくは なさそうだ




はじめの うちは あのおじさん だと おもって ひややかに みてた

だけど まいにち みてる うちに だんだん

かわいく おもうように なってきた




おじさんも としを とったし

わたしも としを とった

おたがいに もう おじいさんだ




ひょうめんじょうは おなじ かんけいだが

わたしは まるく なったのだろうか




このおじさんも これで サラリーマンを ながく

つとめて きたのだろうと おもうと




なんだか にくめなくて このおじさんの じんせいを

あたたかく みつめてる じぶんに おどろいた

なんにも しらない おじさんだ

ただの にくたらしい ふとった おじさんだ




だけど

おじさん がんばろうな

おたがいに!




自由詩 あいさつを しない おじさん Copyright ダンテ カフカ ランボー 2022-10-31 08:15:25
notebook Home 戻る