アースレジェへの帰還(七)
朧月夜
「なら、お前のことは信用できるな。ヨランよ、
この地下室からの脱出通路を、俺に教えよ!
今すぐにでも、エインスベルの救出に向かう」
「はっ。御身が思いますままの良きに」と、ヨラン。
ヨランは、このオスファハン邸については、
隅々に至るまで、調査していた。だから、今二人が脱出するための
経路についても、その頭のなかに思い描いていたのである。
(まずは、地下通路へと、アイソニアの騎士を誘うことだ……)
ヨランは、頭のなかで脱出法をためつすがめつした。
(今、オスファハンの眼前へと姿を現すことは、得策ではないだろう。
昼を待つか? と言っても、今が昼なのか夜なのか……)
「ヨランよ、今の時刻を計る時はないか? 俺は夜を待ってから、
このオスファハン邸を脱出したいと思う。異論はあるまいな?」
「異論など、あるはずもございません。しかし、今の時間については……」
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クールラントの詩