淡く、乾いた、透明な、不在の
ねことら
乾いた感覚で日曜の夜の表面を滑っていく
音楽やアルコール、色のない浸透でゆらゆら浮かぶ
希望、のような、淡い文学を
手に入れたい、と
思っている
言葉は、薄く切っ先を重ねていって
いびつに細く伸びたそれは、
折れ曲がり、自重でなにかに寄りかかっている
弱い線を中心にかかえる
凭れながら、なにかみえない怪物の
存在を否定しながら
片目を閉じて生きているような感覚
そうだ、感覚の話をしている
彩度とコントラスト
スクロールする風景のざらざらとした
すべての不在
記憶の淡く滲んだポイントひとつひとつに
丁寧な傷をつけること
硬い線で描く
僕は希望の話をしている