アースレジェへの帰還(二)
朧月夜

「エランドル様。本当に大丈夫なのですか?
 このオーマルは、貴方様の身を案じております……」
「心配するでない。あそこを見よ、あそこには、
 虹の魔法石が陣座しておる。我の代償としてだ」

「エランドル様。今はしばらくお休みくださいませ。
 この者たちに、虹の魔法石などは使いこなせません。
 我らは、次なる賢者を待つべきなのです……」
「オーマル様! 我らが未来を見捨てるおつもりですか?」
 
「ほほう。ドラグネイアス。お前はわたしを疑うか?」
「そうではありません。すぐに、貴方様の傷の手当てを……」
「心配ない。そこにいる二人の者どもが、全てを救ってくれよう」

「全てですって? あの者たちは、貴方に争いをもたらしたのですよ?」
「だからこそだ。この世界はもう怪しい。オーマル、
 千のドラゴンとともに、この世界を旅立て。世界には時間がないのだ」


自由詩 アースレジェへの帰還(二) Copyright 朧月夜 2022-10-27 19:53:45
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