2005年(cap verses / そよ日暮らし投稿作品)
板谷みきょう

しりとり四行詩

03/01
俺なんて 言葉
使えなく
なってることに
気が付いて


やさしさも
時には辛くて
そっと呟く
独りの部屋で


サクラ色の頬
風邪みたい でも
大きなマスクで
机に向かって


02/22
あなたにアゲル。 そうして
微笑む 野ばらの君
二十五年前 掌に気持ち乗せ
土くれに まみれた男爵と


きもち 尻餅 太鼓持ち
唄と語りで 貴方にあげる
重ねた月日のありがとう
明日をいっぱい 集めたら


喉から出かけた 気持ち 
過去から逃げだす 僕の夢
貴方にアゲル こどもの分と
これからの それがシアワセ

★*゚*☆*゚*★*゚*☆

02/15
携帯電話に残った
履歴いっぱい 
気持ちを こっそり
盗むのだ


こっそり ぬすむ宵闇
ひっそり ひそむ足音
すっかり しずむ日没
しっかり すすむ俯かず


いっぱいの 期待に
居ても立っても 居られず 
体たらくな生活は ひっそり
のつのつと降る 雪のしずか

★*゚*☆*゚*★*゚*☆

02/08
てくてくと
歩めぬ冬の
夜道 ざくざく
しんしん


からからの部屋には
しゅんしゅん
沸き立つ 薬缶
ストーブの上の


不安で 不安で
見上げる空から
舞い落ちる
雪の 冷たさ

★*゚*☆*゚*★*゚*☆

02/01
せつないかなぁ
つつましく暮らして
ないものねだり でも
いきてゆくよ


あわてないで
わたしたち
てをつないで
ないたり せずに


いらない まぼろし 
ラブレターにひめられた 
なみだとえがお
いい おもいでだよ

★*゚*☆*゚*★*゚*☆

01/04
この冬の寂しさよ
こんなに小雪が舞う夜に
後悔ばかりが
心に積もる


2004年は
心に住みし狐の懺悔
明るい世界を 
あてどなく


2005年の始まりは
掛け違えてる想いまで
春に焦がれて
ままならず


自由詩 2005年(cap verses / そよ日暮らし投稿作品) Copyright 板谷みきょう 2022-10-25 11:24:51
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