夜の湖畔で
静
夜の澄んだ空気にあてられ
街を歩いて湖畔に向かった
ざわめく気持ちに呑まれながら
歩みはただ疾さを増して
静寂の水面が鏡となる
自分の姿をそこに映して
湖島の闇に焦がれてしまう
その影の暗さに安らいでしまう
ふとそこに光を見いだす
見上げると双子座が微笑っている
血を流す意味を問いかけても
優しく手を振り続けるだけ
星がまた一つ孤を描いた
夜行性の魚が跳ねている
沈んでいっては浮かび上がる
記憶を糧にまた歩くのだろう
自由詩
夜の湖畔で
Copyright
静
2022-10-23 11:55:01