2003年の(cap verses / そよ日暮らし投稿作品)
板谷みきょう

しりとり四行詩

12/23
今年のうちに 
残りわずかな 恋心
閑かの雪が 降る夜に 
こっそり 瓶へ詰め替える


とうふと長ネギ 
ちまちまとスーパーの
袋に見つける日常に
今夜の献立なんでしょう


クリスマスに ふたり
極光を君と見たいと願う
叶わぬ夢に 逢いたくて
爪の三日月 眺めたり

★*゚*☆*゚*★*゚*☆

12/16
恋しい気持ちで連添って
随分月日が経ちまして
もったいなくて別れられない
それだけなんじゃないんだけれど


さようならの吐息
雪にかじかみ地に落ち積もり
春の雪解け こんにちわと沢山
芽吹くふきのとう


「お願いします」の気持ちを込めて
鼻につけた握りこぶし(さ)を
前へ出しながら手刀(て)にする
それが、手話の挨拶 「よろしく」


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

12/09
背中を越えられない
小さき父の 退屈を想う
幼き子等に 囲まれて
ヤカンの蒸気 団欒に寛ぎ


高らかに 
朗らかに
健やかな声の
ある居間


針に糸を通せなくなりし
母の夜なべの繕いは
いつしか 
子から孫の着物へ


せなかだらうか
かたからなだらか        
たからかな はりがふれる     
ゆめの さかなたちよ


たからかなりしすうこう     
すこうしかなしせなかの
はりのうせしところなる
ゆめの さかなたちよ


はりはきえゆきえりはたつ
だからかなたからかなりうせ
なかせたせなかのかたさに
ゆめの さかなたちよ


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

12/02
道草をした夕方の
頬に刺さる冷たい風
光に溢れた大通り
流れにまかせて


ニャ~。ミュ~。ミャウ~。
猫好きならば堪らない
そう云えばミャウリンガル
やじろべぇさん 買いました?


リズムをきざむカッティング
掻き鳴らすギターの乱れが
そのまんまの姿
刻め尽くせぬリズムが味さ


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

11/25
並んで見上げる夜の空 
年に一度 逢う二つ星の輝き
季節はずれに 探したり
夢をかざして 雪待つ二人


哀しい思い出 定めと知れば
叶わぬ淡い恋心 懐かしいでしょ
なくしてから 初めて気づく
意味なく 流れた年月を


だからね んっ? 
でも… 無理あるかなぁ
過去は過去 戻れないよ
心に残り忘れ得ぬ 北の大地さ


並んで浮かぶ シルエット
ドコマデモつながる 空
ランデブーの誘いだからね
必ず断れる? なら言えるよ


かなえられるとしても 
いいのかなぁ だからね
同窓会で 小樽の坂道
並んだ君に 告白とか


だから根堀り葉掘り 訊かないで
並んで腰掛け 汗で濡れてる手を
そっと放して クラスメートは
もう 哀しみの向こうでしょう


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

11/18
或はまた別れ言葉の
野ざらし ずぶ濡れ
しかし真に警戒すべき
儚いメルヘン


ありがとうの一言
突拍子もなく二言目は
こんにちわ そっと
さようならと並んで


気持ちを込めて
素直に 聞こうか
君は 産まれて
幸せ なの かな


アルバムの一枚は
笑顔でピース
写真に残る
幼い君


ありがとう
おでこ くっつけて
ほほえみ
くれた だからね


気持ちを 
ためらうように 
落ちてくるもの 
心の中 広がる永遠


或はまた 旅に憧れ
檸檬の気持ちを
ありがとう
煮え切らない 吾に


「ありがとう」って
ありきたり だけど
なんでもないことみたいに
言える 君 ステキ


気持ちを口にするのは
いろんなところで
幸せを探してるからなんだ
けど ガムを噛んで諦めてみたり

★*゚*☆*゚*★*゚*☆

11/11
二人の錬金術師 微笑んだ
言葉の出ない 寒い夜
互いに結ぶ 魔法の呪文
「なんの花を飾りましょうや」


で、出会いの初めは 
偶然の衣を 身に纏い
その上で待ち構える天使
狙い定めた 恋の矢


いいね。そうして
お父さんとお母さんは
一緒になって
お前が産まれたのだよ


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

11/04
赤く染まった空の果て
手を広げて 抱え切れない 
いっぱいの夢 語って
手渡した告白の証 指輪 ⇒


指輪に残る 思い出は
儚い夢の 愛しさよ
余韻に浸る 宵の世
是が非でも風 選ぶ 風船が ⇒


風船が 青い星の空と大地
小さく小さく飛んで消えゆく
暮れ逝く季節の 旅立ちは
晴れ記念になれよ 一点の赤 ⇒


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

10/28
空はただ 蜜柑色の
夕陽に 染まるだけ
手をかざしながら
切なくて 声もでない


沈んでいった挙句の果てに
心の底からあふれてきそう
ぽぷら並木の想い出通り
空 どこまでも限り無く澄み


限界に達した しのび逢ふ夜
何も無かった かのようで
浴衣と下駄と 夏祭り
赤い金魚の 口ずさむ嘘


からっぽねやみのしらみたかりだんだ おめぇだば
あめゆじゅとてちてけんじゃ みたいに
呪文のように ゆうらり ゆらりで
ゆるり 許され


沈んでいった夕陽が残す
風に潰れた囁きは
とうに諦めてしまった
秋も深まり 戻れぬ影ふたつ


限界がまたたく間に
ひそみ鳴くむくどりの群れ
枯れゆく梢に集いはぐらかし
はぐらかさるる雨の雫

★*゚*☆*゚*★*゚*☆

10/21
秋の日の 初恋の想い出は
落ち葉を踏むと しくしく痛む
音も無く降る 北国の雪に
しんしん  埋まるまで


決めてない 午後のひと時
日向ぼっこの恥じらいに
黙って お茶をさしだして
二人味わう 冬の足音


ひとつふたつ絡まりて
雪虫の舞う思い 重ね
思い出寒き ふるさとに
寂しさ掬い ほろほろと疼き

秋を流れる風みどりに
雨のひかりける
優しすぎて  水の流れも
きららきらきら ひとしきり


決めて待つ 我に
還らざる雪虫のうろたえ
戸惑い舞う つなぎ蜻蛉の
──さやうなら──


ひとつふたつ 鳩時計
けだるく みっつ四つ
幼き日々の 置き去りし
見失った君の影


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

10/14
やめられなくて
死にかけているときに
そういうふうにおそるおそる
がっかりしてやっぱり さっぱりだ


草や花や空や鳥や魚
灰色のふさぎ虫に
取りつかれて
一匹の蝿さえ うっとうしい


あうとどあは じゃないけど
ひきこもってる わけにもいかず
おもてにでよう にも こう
ゆふくれ  さむく ては


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

10/07
ずしり腰を下ろして 父
しみじみ しんどいけれど
りんとして いさぎよき母と
 へんとつくりのような 微笑み


(ずしり へんとつくりのような 微笑) みぎ手に にぎれば
ぎっちしりと つやつやと
もろこし ほおばり歩けば
左も 長き影 ぢれてゐる


なのにわたしは きまぐれで
ノミの心臓のくせに 限り無く明るい
似合わない愛の形が 囁くよ
わたしは 千切れた言葉 紡ぐ


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

09/30
しらふで語れたんだよ
「将来の夢と恋」
淡いおれんじに
ぴんくの雲が流れてて


見せずにいいと思う
誰といてもひとり
座り込んでいるような
重く鈍い塊 ずしり


九月寝つけぬ夜は
一緒に海を観ました
寂しげに飲むコーヒー
君とあの頃見た未来


しらけてはいない く
らいのかじかむほど い
しもつよくみせたい だか
らおもううたにたくして


みせずにめぐるくせ
せなかのびゆくはなびら
ずっとみてるとしづしづが
にほいにそっとくるまるる


くがつがつがつなみだした
たしかにたるるうたかたの
のにたつものはあれだけだけど
いっぱいほめてくだものになる


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

09/23
裏はらな
はがゆいくらいの
もどかしさ
雨の日 雲の上


上を上をと 渡る 
鳥達 羽ばたき 
ちぎれそう Vに
飛び行く 姿は紫 


紫のそんな 
素敵な憂鬱と
こんがらがって
絡まったままに また来年


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

09/16
実が柔らかな
長茄子の

太陽の紫


音の星
流れ美し

渡る


★*゚*☆*゚*★*゚*☆


09/09
読まずに捨てるは 黒やぎみたく
何度も何度も 繰り返したい
手紙の文句 どうでも良いから
ほろほろと 白くて甘い君との関係


たまにはいいよね ためらわず
色んなこと思い出して
ちょっと 嘘をつくの
胸の痛みを こっそり忘れて


だいきらい。校庭へ描いた白線
もう思い出にするしかないね
それって愛とは違うかもしれない
会って伝えたいけど


★*゚*☆*゚*★*゚*☆


09/02
黄昏に独り静かに 
生き急ぐ小さな背中と
死に急ぐ命ある死体に
こうべを垂れる


風船ガム 精神の自由を
噛んで膨らませて 広げた
夢の数は星の数ほど
口の中 苦い経験ばかりだけど


向こうから 走ってきそうに
長く待ち聴く 懐かしい
故郷に続く 受話器に聞こゆ
呼び出しの音 るるる


黄金に垂れる穂先に
飛び交う 憧れの
日暮れの早さ 美しさ
いいだろうなあ 蜻蛉


風の音に潮の香も
波の照り返す陽ざしも
冷たいお茶に入れて
望郷の扉のむこうの浜辺へ

無償の愛の
ゆっくりと
胸に突き刺さす
運命を 込めて

★*゚*☆*゚*★*゚*☆

07/23
視界も暗い太陽の輪郭
せっかく空はどんより曇
もらった缶のお茶を飲んで雨宿り
絡み付いて外れなかった 胸の糸


月光のひりひりと夏のまなざし
若き日の母のように午後に手を曳き
柔かい光となっていつまでも輝きそして
悪夢とめぐりあうくりかえしデジャヴ


包んで結んでささくれた
ゆらり ふんわり
あまく やさしく なやましく
夢も希望も優しい風になって


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

07/15
頬づえをつく漱石と
太宰に漂う香り 胸の
ずっと 奥 眠れぬ胡桃 
音もなく はじけ


あの時のこの場所に
今という 短夜を
気付けぬものか 
なぁ。ほうき星よ


天邪鬼 思い裏腹
俯くことさえ許されず 
デラシネに仰いで旅の
曇の峰かな


頬染めた夏も きっと
真っ赤に血が滲み
蛙どもの群がって ゐる
悲しげな生殖が みんな壊れて


あの時に探したけれど
見つからぬ 真実は
日暮れを待って
両掌でふさぐ視界


天空の月おぼろ
地の月水無月突き抜けて
水のからくり青の虹
明るく輝くラムネ玉カラコロ


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

07/08
夏だもんうつろな風鈴しゃれた宵
おののきながら 人恋しさのそそくさと
巡り合わせに 淋しさを
そわそわどぎまぎ きれいに響く


嘘だけど ♪暗い夜道をただ独り♪
思いあぐねて ときめき奏で
かえすがえすも古い歌 夢のまた夢
「籠の鳥」 あとの祭りに後始末


ナンテステキ ソンナツブヤキ
欲シカッタ ダッテダッテ
君ノ笑顔ダッテ アタタカカッタ
見ツメテイタイ 世界ガ…分カツマデ


夏だもん今更ながらに
澄んだ心で干草ロール
すっきりしたら
牛の大きなバームクーヘン


嘘だけど自分の問いを
繰り返し
わかってるんだ
本当のことは


ナンテね 風の噂もほろ苦く
忘れることのできぬ人
ほころびそうなしどみの紅を
今でもずっと求めてる


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

07/01
雨の日の夜 顔を上げても月も
星も見えない漆黒の 空 独り
思い出の中 取り残された体
冷たく夏に すきとほって消え

「待ってるね♪」やさしい言葉
けだるさを呼吸みたくみたゆめ
ささくれ ばらばらのどんな夢?
ただとりあえずただくずれて逝く


もじを言葉にしてみたら?
ひゅるひゅる ざわざわ
あちらこちら ささくれ くびれ
さわさわゆらめく きっと素敵に


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

06/24
まる あげる
心の中でたくさん
たくさん思って
言葉を探し始める


恋しい 胸 打つ
太古のリズム 貴方と
空と私が
かさなる 蒼さ


消えないで在る刻む記憶こそ
生まれし者全てが
雲に隠れた哀しみを越えて
ただひたむきに生きる


まる あげる不知夜月と
ほし さがる繊月に
ソレに気づけないまま
便りを豊かなアナタに


恋しい心 動き感じる
こんなに 迷い豊かな
交信の限界 戸惑い分かつ
0:00の鏡


消えないで…消さない鴉よ
世に有る全ての美しき色を
水仙の白き色とは裏腹に
求めたが為の漆黒に鳴く明け方の

 
○あげる ×あげないで
◎あげる さよなら△また
きて□ 折角だから
しっかり伝われ まっすぐに


恋しい想いは ふいにいつも寂しい気分で
~ちぇっ 鼻水が止まんないや~
モノクロな外の闇に紛れてセピア色の光
ボク達はやわらかく照らされて…そして鼻をかむ


消えないで……そのままに…… 
~何なのよ この寂しさ!~
さりげない日々にチリバメラレタ幸せ
ようやく見えた癇癪のあと


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

06/17
いっぱい悩んで いろいろ迷って
ちょっと 間違っているから 
時々 美しい孤独が降り積もる
夕映えのしずかな ひととき

 
ココロことこと だいどころ
クリアブルーの 冷たいミルク
なめらかに宵やみを うるおす
北一硝子の 想い出カップ


顔が見たくてさざなみの詮無いような
指しなやかに 幽かに揺らめく
思い出さないように してたから
忘れることさえ できなくて


いっぱい陽が昇ってから眠る
いつのときでも いつもいつも
さいわいなるかな不幸な人は
生命を辞めた恩師を偲ぶ日 


こころしずかに 夜を歩けば
何もできない気持ち トボトボ
それで終わり なんだか前向き 
あこがれの地図を ください


顔が見たくて どこまでも
雨でぬれてた アスファルト
舞い散る桜 汚れた花びら
ごめんなさいって想うんだよ


心一杯 ゆきかぜみたい
アカシアやポプラのわたげ
空はどこまでも 青く澄んで
高く舞う ためらいが


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

06/10
もう いらないよ特別な日に
ためいきをつき 温かいココア
ねじ切れそうなマーブルの
カップを指で はじいてみたり


小さくて
小さなようで無限大
未練タラタラ
自分をなだめる


コドモ
もう いらないよ
出来るの
乗る気で良いなら言う
桃何処?


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

06/03
消せない 消えない
そぼ降る雨 人影もない
闇夜 照らし続ける
街灯の寂しさよ


本音をグツグツダッタンと
煮詰めて作った甘過ぎの
餡を包んだ青臭い君の
緑濃いヨモギ餅を食らう


そのままがいい詩人は
悲しく短い運命のままに
言葉のほころび繕って
縫って仕上げて天を駆け逝く


消せない過去の雨や風
一つ一つは大学ノート
サイフォンのゴボゴボ
懐かしいコーンミール


本音は朗らかにふくらんでく
幸せに夕日は手をつないで
心ある時 浜辺の本当大きくて
心ない時 浜辺の本当小さくて


そのままがいい
素知らぬ顔の中
変わって行く風景
願いを込めて海鳥は高く

★*゚*☆*゚*★*゚*☆

05/27
簡単を詠むなら
邯鄲みたい
一炊の夢深く
味わい染み渡る匂い


残しておいて いるみたい
蒼く遥かな山なみと 残雪草に
珈琲のミルクまろやか
黄昏どきを夕日と流る


だまされない かもしれない
ためされなければ ならない
ごまかされないように
なされるまま されるわけない


簡単そうで難しいよ♪
象を冷蔵庫に入れる三つの方法
知ってる人は黙っててって
そんなぁ・・・


残しておいて次のクイズ応用編
麒麟を入れる四つの方法
頭を固く考えないで
姪は笑顔で困らせ訊ね


だまされないぞと意気込んで
解らないまま降参し
答えは知っては居るけれど
四行シリトリ 回答誰がするかしらん♪

★*゚*☆*゚*★*゚*☆

05/20
ぜふぜふと呟やき囁く
仕草も笑顔も白髪(はくはつ)無垢に
赤子帰りの二度童子
気付けぬことこそ楽しけれ


花を映すは おぼろ月
なぐさめならば 春霞み
けがれ忘れし 
道の辺に スカンポの味

嘘もつけない土産物屋の
にぎわう通り 清く豊かで
たおやかな つつましき
人のゆかしさ夕餉に想う



全身汗だくのように
血まみれな いのち生みだし
幸運の守り育む 無邪鬼
ラピスラズリーの 藍


花桜 舞い散る喧噪の
雑踏に迷い 悩んだり
立ち尽くす まにまに
ほんのり 色付く未来


嘘もつけない散歩道
嘘つきの啄木鳥の音
風に揺れるブランコに
気分を乗せて夜を待つ


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

05/13
憧れこがれ待ちこがれ
ゆらりゆられた恋心
恋に恋して涙に散った
想い出の手紙が届きました


なみだ隠して寝ころんで
気がつけばひとみ閉じてる
外降る雨のさみしさよ
ジャリジャリと疼く胸に


くるくるまわる
回り回ってぐるぐる 
いっせいに芽を吹き出した
さわやかな紫のぶどう花


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

05/06
ひかりをあおいで
生きてごらん
うつむくたびに
囁く 蒲公英


つぶやくことしかできないのなら
黙っているのが良い 
なんて・・・
なんで??


なまいきな きままさ
ままならない じゆう 
いさぎよく みとめる
きみの すばらしいとこ


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

04/29
部屋に入って
手持ち無沙汰
たまには いいねに
ニヒルを気取る ⇒


ルームライトを落とす
素敵なムード
どれもが似合う
写し世の夢 心動かす ⇒


こころうごかす
すなおにそっと
とおいあの日は
はじめての君の部屋 ⇒


部屋の鍵
あけかけた朝
ス・キ♪と動いた
君のくちびる


瑠璃色の憂鬱
想いは遥か 太古の昔
巡るいのちを仰ぎ見る
コノハズクの声


心うごかす噴水の
ざわめく水音(みずね) 輝き重ね
陽に照らされし
ワゴンのとうきび


部屋のカーテンを替える
さみだれ五月 春は宵
こまっしゃくれて
気付かぬそぶり


ルージュの はげかけた唇で
カフェ・オレを道草に飲む
煙草の煙が 心動かす
君の部屋では ちょっと生意気


こころうごかす心尽くし
心許無い 心残りか
叶わぬ夢は なにゆえに
実らぬ恋は なにゆえに


留守に今する気かい
向日葵も傷付く 私は恥じたわ
愚図好き 森は麻痺
烏賊切る住まいにする


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

04/22
いちばんのしあわせ
こぼるる 星くず探して
独りよぞらの
闇にとけゆく


壁も垣根も境界線も
暖かなりし おひさまの
光は風に 流れる雲と
ともに超えよと 便り届かん


手が語る 語り部の手は
美しく 音消(な)く流(ながれ)
漂う上腕(うで)と
指の先まで


一番館から五番館
コバルトの壁に飾られし
真っ白きマネキンよ
その手は今も麗しいはず


壁側の愛は
一番向こうの席の
笑顔で見つけた君
手を振るボクに千切れるくらい


手がざわめく
一番淡い艶消し硝子
壁の向こうのシャボン玉
黄色く遊ぶ幼な子の声


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

04/15
チャンスなんだと
やっぱり信じ疑わず
ん~と 沢山悩むけど
素直に一足 踏み出す朝に


似合うね。と心が囁いた。
君がカリカリと焼き目を
壊しスプーンですくう
クレーム・ブリュレの昼下がり


桜はまだかな
紫陽花にコスモス
花に寄りては 心が揺れる
想う女の去り行きて夜


チャンスを活かす教育で
育みし精神は
今も変わらず此処に在る
テレビを観つつ感謝に咽ぶ


似合うねと母校の声
だから続ける
唄い屋の姿も
白衣の姿も


桜咲く前の蒼穹 桜散る
闇夜に浮かぶ北星で
一枝飾り 愛と希望の花びらは
どこから吹いて どこへ逝くのか


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

04/08
ランダムを
ガンダムと聞き間違える
ギンガムチェックな
ラディカル翁爺


春の朝焼け 空紅
夏の日差しに海紅
秋の夕焼け 野に紅
冬の日没 心暮れない


見えてきたから
聞いてみたんだ
聞いてこなけりゃ
此間の見てぇ滝だな


ラストシーンが
見えてきたよな・・
そんな貴方の囁きで
幸せに充る春の朝陽 →


春の朝陽に駆ける子の
ランドセルの音に
朝餉の香りと・・
幸いな家庭が見えてきた →


見えてきたかい?
一緒の未来が
春の朝靄のなかで
二人 嬉々♪ラ♪ラ →


ラッパ パパラッパ♪
パパラッチババ ラッパー
パパカッタ スタコラパパ
ヨッテ カッパラッタ


春の朝ラッシュアワー
見えてきた?来てぇ見!
あ!わ!あゆ?
実裸?さぁ乗るわ


見えてきたのは
蝦夷富士の麓
父は頑固に土で生き
継いだ息子がまた土に生く


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

04/01
にほんに佇む
世界の悲しみ
花は香りで
月は光で・・・


結論を出してきた
結論はつまんない
はてさて結論とは
如何なることか・・・


くしゃみひとつでも
終わりはしない
涙の雫も
一生忘れない


日本と小泉よイラクはサダムだ 
ブッシュの国で 都会は血に穢れて皆は 
泥まみれだそうだ 嘘 誰見守ろと 
花見てれ 陰に地這い 過度で
肉の輸出豚 無駄さ舶来よ未遂児トンボに


けつろんば はえぐ
つたいたぐってもよぉ
ろんがいだっきゃ はぁ
んだべさや のぅ

くしゃみひとつで
呼んでみたいな
あくびもあわせて
ねぇ?カンちゃん


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

03/11
気付かない?
きみの頬冷たいよ
はじまったばかりの
雪明りと街灯りの挟間


銀色の雪の欠片
空と雲との境から
「忘れないで…」と
降り注ぎ来る


はじまったばかりに
痛々しいほど 運命に流され
幾つも涙を流し 約束を交わした
あれからどうして過ごしているの


気を遣ってるけど
気を惹く素振り
そんな貴女が
気にかかるのです


ぎらぎらの感受性に飢え
すかすかの想像力を恨み
ガタガタとふるえています
さらさらと幸せの隣に居て


はじまったばかりの旅
気負わずに歩む
降ったばかりの雪の上を
踏みしめるように


気持ち書く
乱れ散る
切り離された
上の句みたい


キッと見詰てた
ことばの行方を
でも これからは
そっと包んでみようか


始まったばかりに
忌まわしい思い出
泣きながら産まれた
だから今は泣くモンか


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

03/04
うえをめざす
ひたむきに
ひたすら
がむしゃらに


らっきーな
さっきの
ねっきは
おっきいね


いたずらなあさ
さあないたずら
いたさあらすな
たらないあずさ


上を目指して
ダメだと憂う
あなたのソコ
謙虚でステキ


ラッキーカラー
無色透明
誰からも
気付かれない


いたずらなあさ
ひねくれたひる
かなしみによる
なぐさみのとき


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

02/25
口惜しい夏は
夕陽に染まる野球部員
補欠で過ごした
汗まみれの高校時代


つながるものは
君と僕との
はかなく切ない
淡い想い出


「咲かないのか」と頭抱えて俯いた
『花咲き山』の山ン婆が
「んな、ことぁねぇじゃ!」と怒鳴り出す
どんな時にも いつの日も


くやしいなぁ
どうしてみんな
おとなになれるの
ためらいもなく


つながるものは満月のもと
忘れられても明日も生きる
あふるる想い
地の果てにまで


さかない 
かなしみ
なみだは 
いづこへ


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

02/18
あわずに淡雪 わかれて綿雲
戸惑い ためらい 争い競う
だからこそ 許しを乞う迷いながら
そして 更に心を込めて・・・


いつもとなりに足跡がある
遠い空の下 ぬかるむ中に
がむしゃらに信じた 心恥じらう瞬間
何故 戦わなければならぬ・・・


「うらやましいな。」
素直に喜べず、物足りない
悲しく寂しく虚しい気持ち
求める愛につながるものは・・・


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

02/11
緑色の ピーターパン
夕暮れの 風景
地平線の 彼方
紅の 憂鬱が暮れる


緑色
光の春が
渡す
バトン


いつもとなりに
居てくれる
気付いてるけど
知らない素振り


これからはなの?
これからもなの?
いつからなの?
ずっと前から・・・


緑色の心 いつもとなりに
逢えないのは 悲しい
切ないのだから
これからも 会わずに


いつもとなりにいる
これからも忘れない
たったひとりの
いとしい緑色の風よ


これから緑色の春
いつもとなりに居て
遠い未来も
君を見ていたい


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

02/04
アルバムCDまだですか?
ライブ後に言われるのは
嬉しいけれど出せない自分が
ほんとは寂しい


イジワルなひとみ
哀しいまなざし
どちらも気付いてない
優しいあなたの癖


あなたにあえて
大切なこと
今も一緒に
暮らせていること


アルバムの蟲喰い
イジワルな記憶の痕
あなたにあえて
癒されたのを


イジワルなあなたに
敢えて言わないまま別れ
時は過ぎ いつしか行方知れず
アルバムに残るのは優しい笑顔


あなたにあえて
アルバム増え
意地÷意地で
平凡な幸いが答えです


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01/28
しわ 皺 詞は 死は・・・
思わず呟く吾に
「三十二だよ。お父さん。」
TV観ながら娘の一言


もうだめは 大丈夫
まだ大丈夫が もう駄目サ
信念のまなざし残る
若き日のアルバム


あなたにあえて
あなたをあいし
あなたとくらし
あなたがうまれた


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01/21
口笛吹いて空を飛ぶ
フック船長と手下の海賊
永遠に大人にならない…
待ってるよボクも…


口笛吹いてゆっくり恋に落つ
きれいな青ぞらに…君を想ふ
すきとほった風に…君を想ふ 
しんしんと雪は静寂に降り積む


あなたにあえてまことの花火に
間違えられた それだけで
みなの期待を一心に受けながら
真実の幸せが音も無く燃ゆ


たまらなく透き通った肌に
眩惑されし代償は
村を滅亡させるだけの嵐
奥底には同様の欲望在りし


口笛吹いて 別れて来た
この道のりに ふと振り返ると
いつも 困っていた時には
道しるべとなっていたあなた →

あなたに逢えて気付いたことは
愛が心を育むことと
別れは必ずやって来ること
あなたがいつもたまらなくすき →

たまらなくすきな君の街
ゆらりゆらりと時は移れり
星の瞬き まろび出づる頃
幸せの後ろ影 空うららな口笛 →


口笛吹いてた 何時の日も
命短し恋せよ乙女よ 接吻した
言いたし 好き 嫁 十余生越し 家事
未知の芋 火の点いた手 言ふF地区


貴方に 敢えて追いて来て
「いつも軽い 夢か望み 甲斐無し 嘘々
いいちこ濃いね この子何処の子 
ね 居心地良い?想像しない?
神園亀湯居るかも?追いて来て 
痛ってェ…あ 煮たなア」


たまらなく好き すすり泣くキリギリス
悔しい家内居ない 行かない田舎医
居ない田舎医者 薬 義理効くなり
ススキ 梳くならまた


貴方に逢えて夢 儚なし 
いい娘ね 此処ね 
恋慰し仲は 女湯てえ
あ!似たなア




自由詩 2003年の(cap verses / そよ日暮らし投稿作品) Copyright 板谷みきょう 2022-10-18 11:34:34
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