クーゲンドルにて(九)
朧月夜

「すべてはエランドル様が決めるであろう。
 お前たちが平和を求めるに適さない者たちであれば、
 エランドル様はお前たちを排除する。
 話してごらんなさい、我らがおさライディンゲルと」
 
その時、一頭のドラゴンが上空から舞い降りて、彼らの前に立った。
そして、一人の人間へとその姿を変える……。
「あなた様が?」──ヨランが口を開く。
「わたしは、ライディンゲル。オーマルと同じドラグネイアスである」

それは厳かな口調だった。アイソニアの騎士、エイミノアも身が引き締まる。
「しかし、わたしはオーマルのように常時人間の姿でいることは出来ない。
 この姿は仮初めのものであり、一瞬しか保てないのだ。そして、わたしは龍族の長だ」

「一体何を、お聞きになろうとしているのですか?」と、ヨラン。
「お前たちは、我ら龍族のうちの二頭を殺めた。これに対して、
 汝らはどう申し開きをするか? これは、戦いというものではないか?」


自由詩 クーゲンドルにて(九) Copyright 朧月夜 2022-10-17 16:55:56
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