クーゲンドルにて(七)
朧月夜

アイソニアの騎士とエイミノアが剣を納めるとともに、
ドラゴンたちの攻撃は止んだ。──一瞬の静謐、と、それは思われた。
しかし、”オーマル”であった龍が口を開く。
「よく思い留まってくれた、旅人よ」……と。

「オーマル様。あなたはたしかにオーマル様ですね?」
「さよう。我が名はオーマル。龍族の間でも、誉れ高き名を持っている」
「龍人のあなたが? では、お聞きします。あなた方が、対話を求める理由はなんですか?
 それは、エランドル・エゴリスに関係しているのですか?」
 
「我は、それに対して是とも言い、否とも言うであろう。エランドル様は、
 たしかにこの世界を作った。この世界の王である。しかし、王とはそもそも何者か?
 我らは、生かされてここにある。だが、その目的とは?」

「ハーレスケイドを訪れる者の案内人……」言葉少なにヨランが答える。
「さよう。それは、我らが使命です。だが、それだけではない」
「つまり、わたしどもをあなたが試すということですか?」


自由詩 クーゲンドルにて(七) Copyright 朧月夜 2022-10-17 16:53:01
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クールラントの詩