直観的思考と命の饗宴
ひだかたけし
ひそやかに
野辺の一角で
根を張り芽を出し
やがて見事な花咲かせ
遂には色褪せ萎れ枯れていく
密やかな野辺の
一角で出来し消滅し
降り注いだ瞬間、瞬間の
在るもの在るもの、艶やかな
透明な盛衰を貫く、伸びやかな生を
見入る、聴き込る、感じ取り直に掴む
脳髄トロリ揺れ鮮やか覚醒する意識の
内も外も境も溶け流出して無くなり
直に掴む知覚も思考も同時にして
降り注ぐ生の一瞬一瞬の永遠を
種在る、根在る、茎在る、葉在る、花在る
在るもの在るものの、鮮烈な実在性が
時間を輪切りに垂直に降り注ぐ瞬間
時は存在は永遠無限の比喩となり
在るモノ在るモノ、永遠となる
*
今日も名もない野辺の一角で
命の饗宴が繰り広げられる
躍動するエロスの精霊に見守られ