時間の真実
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眠りについて
夢の世界が
扉を開くまで
さあ今日は
どんな夢を見るのだろう
と
小さな期待に
いつも
ちょっとした幸せを感じている
でも
夢はそんなに甘くはない
期待外れの悪夢や
見たくもないドラマで
目が覚めることもある
それにしても
夢のなかをながれる時間は
不思議だ
夢のなかの映像も
現実の世界のように
確かに
動いているのだから
明らかに
時間はながれている
ところが
長い時間がたった
と
思って目覚めると
わずか
30分しか経ってなかったりする
時計が刻む
物理的な時間
待つ身の一時間は
苦悩の一世紀だった
なんていう
心理的な時間
不思議な不思議な
この夢のなかの時間
この世には
これらの三つの時間が
確かに存在し
ながれているのは
間違いないだろう
いや
存在するのは
時計が刻む
物理的な時間だけ
なんて主張する
物理学者もいるかも知れない
しかし
その物理的な時間とは
人間や動物にとって
どれほどの意味があるのだろうか
もともと時計とは
人間だけがつくった
単なる機械であり
その動作の尺度で
他の動作を測ったりするものだ
それゆえむしろ
そんな時間は存在しない
とも言える
即ち
存在するのは
心理的な時間と
夢のなかの時間だけ
時計を見た時にだけ
それらの時間をその時の
時計が刻む
物理的な時間に置き換えている
こんなふうに考えると
時間の真実が
見えてくるような気がする