夜想
ひだかたけし
父は沈黙を支配し
静謐は直観に従う
深夜に一日は生動し
わたしの思考は
宇宙へひろがる
この戦慄を貫く混沌、
この旋律を貫く企図、
躍る世界は荒野の声を響かせ
雪に舞う孔雀の羽ばたき、
細やかに聴こえる花粉の散開、
わたしはたましいをうけいれ
ヒビキのウチュウに
沈黙を支配する父を観る
もう一人の私が今、
岸辺に佇む貴女に触れる
自由詩
夜想
Copyright
ひだかたけし
2022-10-08 20:49:22
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