世界の真実(十四)
朧月夜
「なぜ止める、ヨラン? そのエランドルという男がまことに
このハーレスケイドの支配者であるならば、この男を倒さねば、
虹の魔法石は手に入らないのではないのか?」アイソニアの騎士は訊いた。
「それは分かりません。エランドルがこの世界にどのように関係しているのか……」
「そこの女は今言ったぞ。エランドルとは、ハーレスケイドの王だと。
俺も今やっと認めるに至った。奴は、魔術を使ってこの女を操ったのだ」
「わたしもそう思います。アイソニアの騎士よ」──と、エイミノア。
「魔術とは、そんな単純なものではございません。なんのために魔導士(=ウィザム)がいるか……」
「俺は今、職業の話をしているのではない、ヨランよ。
虹の魔法石とやらを手に入れるための、作戦について話しているのだ。
お前のほうこそ、エインスベルを救うためにはこの魔石が必要だと言ったではないか!」
「そうでございます。しかし、魔術がこれほどに恐ろしいものだとは、
わたしは思ってはおりませんでした。ただ世界を変える力があるとだけ……」
「お前は、さっきの魔物のことを言っているのか? ヨラン」
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クールラントの詩