ハーレスケイドでの戦い(二)
おぼろん

アイソニアの騎士、そしてエイミノアも、オーマルの前に控えた。
彼らの振る舞いが、今後の彼らのハーレスケイドでの探索にも、
影響を及ぼすと考えたからである。──それは賢明な判断だった。
アイソニアの騎士は、ただエインスベルのことだけを思っていた。

「彼女こそ、世界を救う存在だ」と。……その考えは、
この世界ヨースマルテの大半の住人とは、異なるものであったろう。
彼女の発した呪文、そして、ライランテ戦争での活躍について、
人々はむしろ恐れを抱いていたのである。

しかし、エインスベルが味方にすら恐れられ、嫌悪される者だと、
アイソニアの騎士は思ってはいなかった。彼女はかつての彼の愛人であり、
ともに旅をした戦友だった。その身が救われさえすれば、

人々もやがては納得し、社会をより良きものへと変えていく礎となる──そう、
アイソニアの騎士は無垢にも思っていたのである。だが、事実とは、そのように甘いものではない。
ここ、ハーレスケイドでも、彼らは試練に対さなければいけなかった。


自由詩 ハーレスケイドでの戦い(二) Copyright おぼろん 2022-09-10 19:16:39
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