DXから学ぶべきこと
足立らどみ

労働者ってなんなんだろうと思う。

1916年の工場法施行から既に100年過ぎているのだけど
江戸よりも前、労働者なんて曖昧な位置付けの者は
いたことはいたにしても、農民や一人親方やお侍は、
それぞれの職種の生き方はあっても、使用者に対する
労働者というイメージは一つではなかった。

近代を支えてきた使用者対労働者の構図を壊してしまえば
もっと自由になれるのかもしれないけど、100年前までの
仕組みの中で生きていた庶民が必ずしも自由ではなかったし
だからといって今の労働者達が必ずしも自由とは思えない。

労働はロボットにさせればよいという発想もどうかなと思う。
令和の現在では、例えば、DXは、諸々の手続き的な部分を
オミットする上で貢献していても、ロボットに任せる迄には
至っていないわけで、遅々として進まぬAIによる産業革命は、
それでも簡単だけど時間のかかる作業工程を圧縮してきてて
見えないところで、労働者がロボット人間から解放されて
「自由」な時間が増えてきているのだろう。

結果的に労働の専門化は加速してしまい、経験や知識は
常に遅れがちになって、ついていけない若者や老人は、
規則正しい生活を送るためだけならいいけど、最賃の仕事に
身を削ることになって、かえって自由が減るもんだから、
岩崎隆一や青葉真司のように、ネットで齧った知識でもって
犯罪行為に直結してしまう愚か者が増え続けていくのだろう。

勤労に対する喜びは昭和までの話しで、今の時代よりも、
江戸以前のほうが、生きがいはあったのではなかろうか。

落ち目の国の民として、このままだとネガティブな未来しか
見えない。(我々が望んだ結果でもあるけど、ワッハッハ)


散文(批評随筆小説等) DXから学ぶべきこと Copyright 足立らどみ 2022-09-04 12:05:33
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