ヨランの挑戦(八)
朧月夜
「協力者だと? それは、旅の伴を得るということか?」と、エイミノア。
「そうとも言えます。ですが、そうとは言い切れない面もございます。
その協力者とは、わたしたちの味方とは限らないからです。
わたしが得た知識では……」そう、ヨランは言いかける。
「待て、ヨラン。そもそも我々が向かっているのは、どこなのだ?
わたしの想像では、それはハーレスケイドの中心部。
神殿か何かがある場所だと思えるのだが……」アイソニアの騎士は言う。
その通りだった。ヨランはうなづく。「あなたのおっしゃる通りでございます」
そして、一呼吸を置いて、「ですが、その神殿とはいかなる場所にあるものでしょう?
右へ行けば右へと辿り着き、左へ行けば左へと辿り着く、現世とは違います。
ここは言わば、『仮想』の世界なのです」仮想という言葉を、ヨランは強調した。
「それは、ここが現実の世界ではないということか?」
「そうでございます。幽冥界とは、意思によって形作られている世界。
すべてが流転し、千変万化している世界なのです。そこには、確固とした答えなどありません」
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クールラントの詩