ひとつの内面の物語
ひだかたけし
黄昏時は
哀しみと共
認識への衝動を
連れて来る
死を覚悟し
死に準備し
意識は覚醒する
わたしは知りたい
私が在ることの神秘を
不安と恐怖と怒りと歓喜と
内底深く渦を巻く
私という存在の謎を
川が流れいつかたまりに達するように
わたしの思考は覚醒した意識を流れ直観する
わたしの内底深く
広がる宇宙の生動を
躍る神々の溢れる愛を
誰もが其処に属すふるさとを
すべては体験されるこの世界の内に在る
神々は体験されるこの世界の外には無い
私という存在は
内底深く直観される
生動する宇宙の所産
躍る神々と蠢く悪魔たち
愛そのものと憎悪そのもの
それらを担い
再び私は生まれた
ひとつの内面の物語
直観される思考の物語
想像力がイメージとして発露した
黄昏時は
不安を携え
訪れる
死への準備はゆっくりと
認識への努力は怠りなく
深い闇に光を求め
不快と苦痛を耐えていく
必ず歓喜の瞬間に到達すると信じて
必ず生動する宇宙を掴み取ると予感して
内なる神々の愛が溢れる
内なる故郷への憧れが溢れる