Hz 2022/08/15
あらい

浮かんでは消えるあやふやな封筒の
瞳孔の記述はないのだが
のりしろが若く美学を降ろしている
そして傷ついた鴉は仰せのままに糸を引く
魂はその日、カレイドスコープの天命を 
写真機の前にいったい、搾る習わしだった

ギザギザの検死を容易に
無毒化すると明かすのか
一寸先も、土煙に障る

たまゆらに/察して

蝶番の外れた芸術家の含有量は、もうどす黒く
そのうち百鬼夜行に裏打ちされる、ならば
巫女の装束を隙間風を目に映すのだと。誘いかける

そこはちょうど、開いた窓にほとばしる

髪飾りを設えた恋人 なんて
、花唇、入口に房が熟れ
 祈りの、
<再生時間なんて/水玉の口ぶりに>
、近く
――川辺に正面を企む(かえりたい)
周波数もの『苦痛を焦熱』と

薬にもなる朽木が中庭に
_
彼の母から
_
そして萌芽がつむぎだされる

「奇妙な庇だったのか、」と
聞き取りにくい、芯に継いて

もう霧が張れるように息吹は掻き合され、それは
虹を識る弱者として辞書を引き摺り、こうして
ピアノ線を破り、滔々侘しい郷山を 燈を捨て

種をあかす
どこまで風のように命を繋げば、戦慄く影は
棚引く姿に過ぎゆくのかわからないけれど

2022/08/15


自由詩 Hz 2022/08/15 Copyright あらい 2022-08-15 12:23:53
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