春秋に富むとすれば
あらい

満場一致の湿った場所にギョロつく子と
山犬の道理、光芒は肩を並べ
あしの速さを競うように、
浅瀬に乗り上げあとに続いていく
噴霧器の全勝。
それは唇が触れましたか。

えぇ、

次第に伸縮する病魔と春本の狂宴は
船荷でしかない。
承諾する、
現在進行系の廃棄物の優先順位に、ほら細くなる、
技巧として
流れ着く絹織物、
異名を過ぎ去った見聞を
溶け込ませる点眼薬の操り人形、
もう
膨らんだばっかりに、
消毒剤の通りいっぺんに空かす、
輪をかける大鼠と孫たちが、あぁ封が梳かれる。
そんで軽薄に駆け抜ける、この罪は
どこまでも死に相当する、これでは
苦しみに明るく重さを朝に反し、こんなの
不気味な姿のため池とメランコリーの

……焼野原、
サンプルじみた食中毒を与える、赤っ恥の天文台から
辻褄ばかりが染み付いた病癖がまた 順番待ちの
不平を漏らす悪女に仕立て上げる、
移し替えれば

長駆の図形/両極の山河/叙情詩の数にも入らない
胚芽を膿んだと言うのに。〈ぼろがぞろぞろ〉

明日の正午まで踏み鳴らせ、
救いのない座標軸に悶える懐中物をこうして
夢中になって、蝶よ花よと
おだてる、よもやよもや、
化けの皮は悪戯に奇々怪々、
余福に預かる尻軽な魔法をく。


自由詩 春秋に富むとすれば Copyright あらい 2022-07-14 23:21:08
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