まるどらロッキー
自由美学

まだるいベッドの上
まるどらのはみ出した先っちょを不意につまみ上げると
焼きマシュマロがどろりとクラッカーからずり落ちた
ああ果てしなく伸びていくだけの朝
しかしこのだらくは健全である

ある日とろけた先で一回転し
奴はわたしの日常の隙にすべり込んだ
そしていつしか風景になった
気がつけばいつも
脱衣カゴのふちにぶら下がった靴下みたいに
奴はさりげなく行事に参加していた

まるどらロッキーよ
おでこのMマークはマシュマロのMかまるどらのMか
いつになったら教えてくれるんだ

なにこれもつきあいだ
ヒトぐらいまで退化してやるよと
奴はそのうち液体になり
部屋のいたるところでヘソ天をおっぱじめた
くびねっこのかみごたえは
骨を抜き腰を砕きわたしを分解した

夜にゲリラ開催される大運動会
タンスのてっぺんから2本のレーザービームを飛ばし
壁づたいにはねっ返りスーパーボール少年
おまえは毛虫でおれをあやしているつもりだろうが
おれはおれをあやしているんだ
これはじゃれっこじゃねえ
メンテナンスだ
おまえと暮らすための単なる妥協策だ

そうかまるどらロッキーよ
これは「ただいまメンテナンス中です」のMだったのか


自由詩 まるどらロッキー Copyright 自由美学 2022-07-06 12:03:44
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