盗賊ヨランの旅(八)
おぼろん

エイミノアはヨランの皮肉など意に介さなかった。
続いて、第二、第三のグルレッケへと向かってゆく。
狙うのは喉元。致命傷になる部位だ。
「ヨランの攻撃と合わせて、これで半数のグルレッケは葬った」

(さて、これからどうする?)エイミノアは自問自答した。
「おい、盗賊、ここらにはいかほどのグルレッケがいると思う?」
「そうですね。察するところ、数十頭でしょう」
「そんなにか? それでは、こちらの戦力が持たない……」

「ですから申しましたでしょう? グルレッケ相手には、
 脅威を感じさせるだけで良いのです。もともとは臆病な魔物です」
「そこまで考えていたとは……」エイミノアは唸る。

「それで、閃光弾はないのか? 奴らの視界を奪えば、あるいは……」
「ございます。今用意していたところですが、これを」ヨランが魔法弾を差し出す。
「よし、グルレッケに向かって閃光弾を投げる!」  


自由詩 盗賊ヨランの旅(八) Copyright おぼろん 2022-06-30 20:37:15
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
クールラントの詩