遠い声
ひだかたけし
今日は雨降り、光るタール
行き交う人々が音もなく去る
冷え切った身体は光を求め
今日一日の反復を思う
ナニカガなにかを越えていく
積み重なる郷愁が
未知なる世界への憧れが
肉の激痛を抱き抱える
夢の入り口で出会った天使たち
美しい雨音で世界は充ちていく
空白を雨が濡らし
今日一日が暮れていく
*
身一点に感じるとき
遠い声が聴こえて来る
遠い声が聴こえて来る
自由詩
遠い声
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ひだかたけし
2022-06-15 19:14:19
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