手紙5
武下愛

いつもかばってくれたあなたは、なんどしにたいとおもったことでしょう。あなたのおかげで、いまとてもしあわせにすごせています。じぶんがこわれてまでわたしをそだててくれたこと、なみだがいまでもでるほどかんしゃしています。ふるえながらかくこのもじには、あなたがわらったひがすくなからずあるんです。まもるちからがあるのは、あなたがわたしをつきとばしてでも、ぼうりょくからまもってくれたことも、たしかなみちになっています。わたしはいろいろなことをおぼえていて、いつもむねがいっぱいで。なみだがとまらないこともあります。あなたのかわりはいないのに。あなたはがんばってきたから、ほんとうにいまは、ゆっくりやすんでほしいです。わたしがもしも、もっとしっかりできていれば。もっとはやくにびょういんにつれていけていれば。あなたのふたんがへっていたかもしれないということが、いつもあたまのなかをしめるんです。あなたがするこということはほかのひとにとってはいじょうであっても、わたしにとってはかけがえのないあなたで、あなたのいちぶがわたしをけいせいしたことは、ほんとうにいきていて、あなたがいいひとであることを、わたしがつたえられていられたらいいなっておもっていきています。あなたはわたしがおさなくて、しぬということをわからないときに、しのうといいましたね。そのときわたしはわけがわからず、わらったことをおもいだしています。そのときのあなたはほんとうに、かなしいかおをして、ごめんなさいをくりかえしいっていましたね。あなたをおいつめたしゃかいを。あなたじゃないあなたを。にくしんでしまうきもちがありますが。あなたがもしも。のうがとけていなければ、わたしにこのせかいをあいしてほしいとおもっているとおもってしまうのです。あなたのぶんまでせかいをだいじにしていきていこうとしていること、おもにではないことをしってほしいです。だれよりもやさしくてだれよりもつよく。ぶきようながらあたえてくれたあいじょうは、かたりつがれています。なのにあなたはわたしとおなじで、いまだにじぶんのもてるものをわけあたえますね。わたしはそんなあなたにあまえたくないんです。わたしはあまえかたをしらないんじゃなくて。あまえることがこわいんです。だれかにあまえてしまうことがとてもこわいんです。いつかだれかがつぶれてしまうようなあまえかたをしらなくていいっておもってしまう、わたしをわかってほしいのかもしれません。かみさまをどれほどにくんでも、あなたがほんとうのえがおがわからないんです。それでもたぐよせられたぴーすが、たしかなあなたをけいせいしています。あいにいくとたまにちゅうをみたまま、なにもはっしないあなたをみてることがとても。くるしいこともありますが。それだけおいつめてしまった、せかいをどうおもってもにくしみにそまることがありました。あなたにそだてられてわたしはいまでは、しあわせだとおもえることがふえました。あなたのおかげでこうどうししんがさだまっています。あなたのそばにいけないのは、あなたがおもいだしたくないことで、おいつめられることをしっているからです、とてもにていますね。そんなあなたが、にくしんでいるあのひとがしんでから、ないたことをしっているのでおもうんです。どこまでもやさしくてあいじょうぶかいあなただなと。かなわないなとおもうんです。こんなにできたにんげんをほかにしらないです。だれのてでもなく、せかいをかえるのは、みじかなことだけだけもしれないけど、わたしじしんも、ひとつのぴーすなんだとおもいます。ありがとうのこえもふくめて、げんどうとこうどうでしめしています。しめしていきています。いまはわらえるひびがつづいていますよ。だからあんしんしてほしいです。あいにいけたらいいなとおもうけれど、あいにいくだけがすべてではないことをしっているので、いまのままでいきていこうとおもっています。これからさきもずっと、いつまでも。あなたをあいしています。


自由詩 手紙5 Copyright 武下愛 2022-06-13 06:40:49
notebook Home 戻る