二〇二〇年十月一日 「みやうち ふみこさん」
『O・ヘンリー名作集』の2作目は「警官と讃美歌」冬は寒いので、なにか悪さをして刑務所に入ろうと、いろいろ努力するホームレスが主人公。どうしても努力が報われない。さいごに、街のオルガン弾きの音色を聴いて改心してまともに働こうとする。しかし、そう決心したとたんに警官に捕まる。裁判で禁固三か月を言い渡される。
みやうち ふみこさんから、詩集『母の
詩』を送っていただいた。お母さまが入院されて亡くなるまでのことどもを細部にわたって、日記形式で書かれたもの。日記形式といえば、ぼくの『詩の日めくり』と比較したりして、読ませてもらった。感情的にならず客観的に書かれてある印象だ。
https://pic.twitter.com/poRDcVj4pb
3作目は、「アイキイ・シェーンスタインの惚れぐすり」調剤師が恋敵に持たせた薬が、飲ませたい人物じゃない人物に飲まれることによって、恋敵の恋が成就するという皮肉。
二〇二〇年十月二日 「三月のある日のことであった。」
4作目は、「
金の神と恋の神」上流階級の女性に恋をした金持ちの青年が、恋は金では得られないと思っていたが、父親の計らいで、恋を成就させることができた。父親が内緒でお金を使ってだ。
5作目は、「
献立表の春」「三月のある日のことであった。」という平凡な一行目からはじまる恋の物語。主人公の名前がセアラだったのだが、ぼくに詩を送ってくださってる海東セラさんのお名前を思い出した。もしかして、お名前はこれからなのかもしれないと思った。
二〇二〇年十月三日 「緑の扉」
6作目は、「緑の扉」冒険家肌の青年が偶然に好みの女性と知り合うというもの。黒人のチラシ配りが配っていたチラシに「緑の扉」と書いてあって、いっしょに配られた歯科医院のチラシと考え併せて歯科医院のある建物に入って緑の扉を開けると、若い女性が出てきて云々という物語である。
二〇二〇年十月四日 「二十年後」
7作目は、「馭者台から」長いとこ、馬車に乗っかっていた女性を金がないからといって警察署のまえに連れ出す馭者。しかし、それが自分の妻であることをさいごに読者に知らせる。仕掛けは十分に効果的だった。ある意味、短篇は読者を騙すものだからね。
8作目は、「多忙な仲買人の恋物語」言葉通りに多忙な仲買人があまりに仕事が忙しくて、もうその彼女ときのう結婚したばかりなのに、また彼女をきょう見て求婚してしまうというもの。
9作目は、「二十年後」有名な作品なのか、読んだことを思い出した。二十年後に再会しようと約束していた男たちが、指名手配犯と警官だったという話。約束の時間よりまえに会って本人と確認した警官は自分では逮捕できないと思って、代わりの警官を約束の場所に行かせて逮捕させた。
10作目は、「家具つきの部屋」ひとりの娘を探していた青年が偶然借りた部屋で、彼女の残り香を嗅ぐ。主人公の青年には知らされないが、一週間まえに、娘はその部屋でガス自殺していたのだった。
11作目は、『催眠術師ジェフ・ピーターズ」詐欺師の二人組が仕込んだネタは、片方が無許可で医療行為をなしたる者に、もう片方がその男を追ってきた警官役になって、市長を騙すというもの。
12作目は、「結婚精密科学」結婚詐欺師二人組の話。
二〇二〇年十月五日 「取りもどされた改心」
13作目は、「運命の道」羊飼いであり詩人である青年が主人公。あり得るいくつかの生き方のなかで、かならず殺されるか、自殺してしまう。
14作目は、「取りもどされた改心」金庫破りが主人公。金庫破りをやめて真人間になり、銀行の令嬢と結婚まですることになっていたのだが、土壇場で金庫破りの腕を見せなければならなくなった。だが、温情ある警官はそれを見逃したのであった。
二〇二〇年十月六日 「草野理恵子さん」
きょう到着したジョン・レノンの『心の壁、愛の橋』っていうCD、パソコンで聴けなくしてあるやつだった。ぼくはいまパソコンでしかCDを聴いていないし、買った意味がない。なんなんだ、これって。詐欺じゃないのかって思う。どうしよう。
草野理恵子さんから、同人詩誌『Rurikarakusa』の第15号を送っていただいた。草野さんの「有毒植物詩」「色彩詩」「人体詩」といった範疇の作品、「#99 ヒエンソウ」「#21 白(しろ)」「#41 アリス(指)」「#45 燃える小屋(脚)」というタイトルからしてすでに草野さんらしさが出ている。
https://pic.twitter.com/g5jokZziAZ
二〇二〇年十月七日 「丸田麻保子さん」
丸田麻保子さんから、個人詩誌『黒々と透明な』第2号と、詩集『あかるい時間に』を送っていただいた。言葉に引っかかるところがなくて、改行も適切なので、ぼくのブレスにあっていて、読むのが容易だった。詩も長くはなく、読みやすい長さのものであった。意味もわかりやすかった。
https://pic.twitter.com/DSWgryitng
二〇二〇年十月八日 「東川絹子さん」
東川絹子さんから、同人詩誌『オリオン』36号と、詩集『ぼくの楽園(らくえん)』を送っていただいた。ブレスがぼくより長い詩句だ。意味で改行されてあるからだ。「ほんものの亀」という作品に「時間ってほんとうにあるんだろうか あるのは空間だけではないか」とあり、考えさせられた。
https://pic.twitter.com/dvF4rUzFS4
二〇二〇年十月九日 「学校もいろいろござんす」
15作目は、「学校もいろいろござんす」学校というものに一日も通ったこともない、文字の読めない娘が、他人に手紙を読んでもらって、さいごに彼氏からの求婚の手紙を女友だちに読んでもらって、結婚することになる話。
ブルガーコフの『犬の心臓・運命の卵』(新潮文庫)をAmazon で買った。ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』を以前に読んで感動したからだが、ブックオフで、『犬の心臓・運命の卵』を見たからでもある。状態が悪かったので買わなかった。新刊本で欲しいと思ったのであった。
16作目は、「勝利の瞬間」スペインとの戦争で武勲をたてた青年だが、思っていた女性には他の男と結婚されてたという話。野望がどこではじまり、どこで終わるかわからないというさいごのところに出てくる言葉通りの物語。
17作目は、「善魔女のパン」好意を持っていた、古いパンをいつも買っていく男を貧しい画家だと思い込んだ女主人が、ある日、古いパンにバターを入れておいてあげたのだが、男は画家ではなくて、古いパンで製図の下絵を消してた建築製図家だったので、せっかく書いた製図をダメにしたという話。
18作目は、「リューマチ強盗」リューマチの強盗が入った家の主人もリューマチだった。そこでリューマチ話が持ち上がり、意気投合した二人は、酒場にいっしょに行くという話。
19作目は、「睡魔との戦い」アヘン中毒にかかった医師を起こしておくために、でたらめに言ったことが、ほんとうの話だったというわけ。
20作目は、「ハーグレイヴズの一人二役」落ちぶれた南部の少佐の仕草などをまねて役者として成功した若者が、その少佐にうとまれたことから、少佐の若いころの黒人の雇われ人のふりをして、恩を返すというていで、困窮している少佐にお金を施したという話。
21作目は、「マーチン・バーニイの変身」船でこきつかわれていた男が、船長に復讐しようとする話、かと思ったが、復讐するのをやめた話。
22作目は、「赤い酋長の身代金」とんでもない悪ガキを誘拐してしまって、とんでもない目に遭う二人組の話。
ふと、イアン・マクドナルドの『火星夜想曲』が、Amazon で、いくらくらいするのか調べてみたら、1639円してたので、びっくりした。読みにくい作品だったからだ。
https://www.amazon.co.jp/%E7%81%AB%E6%98%9F%E5%A4%9C%E6%83%B3%E6%9B%B2-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABSF-%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3-%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%89%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%89/dp/4150112037/ref=sr_1_1?dchild=1&hvadid=335455841255&hvdev=c&jp-ad-ap=0&keywords=%E7%81%AB%E6%98%9F%E5%A4%9C%E6%83%B3%E6%9B%B2&qid=1602248925&sr=8-1&tag=yahhyd-22…
23作目は、「けちんぼうの恋人」百貨店の手袋売り場の売り子の女の子にのぼせあがる青年の話。相手の男は29歳の御曹司なのに、売り子の女の子が相手の男を見下げている。女に見る目がなかったという話。
24作目は、「自動車を待たせて」公園に淑女が坐っている。男が近づいた。話をする。淑女が立ち去った。ただの勤め人だと自己紹介していた男は後をつける。淑女だと思われていた女性はウエイトレスで、男のほうが有閑階級の人間だとさいごにわかる。
二〇二〇年十月十日 「都会の敗北」
25作目は、「都会の敗北」上流階級の娘と結婚した田舎出の弁護士。都会で知り合い、都会で結婚した二人。田舎から手紙が来る。二人は田舎に行く。都会で洗練された娘に、田舎がどう思われるか、青年はびくつく。しかし、娘は、ひとりの人間と結婚したのだという思いをする。ほっとする青年弁護士。
26作目は、「ラッパの響き」恩人が殺人事件の犯人だった。警官は恩人をまえにして何もできなかった。お金が入用なときにたて替えてくれたのだった。しかし、犯人が自分から新聞社に電話をして挑発をしてくれたおかげで、賞金が出ることになり、警官はその賞金を得て犯人を捕まえることができた。
二〇二〇年十月十一日 「振子」
27作目は、「振子」決まりきった結婚生活を送っていた男の妻が突然いなくなった。彼女の母親が倒れたからという置手紙が残されていた。彼女との日常生活が断たれてしまったのである。茫然自失する彼。しかし彼女が突然、帰ってくる。母親が大丈夫とのこと。男はまた決まりきった日常生活に戻る。
28作目は、「煉瓦粉長屋」お金持ちの青年が見かけた女性に恋ごころを抱くのだが、どうにもならず仕舞い。
二〇二〇年十月十二日 「最後の一葉」
29作目は、「最後の一葉」重病の女性が窓から見える木の葉がぜんぶ散ると、自分も死ぬと言う。それを聞いた老画家は、寒い夜に窓に一枚の葉を描いて、女性の気を振るい立たせた。よい方向に病状が向かうが、老画家のほうは肺炎にかかって死んでしまう。読んだことのある超有名な作品。
二〇二〇年十月十三日 「都市通信」
さいごの30作目は、「都市通信」ナシュヴィルで起こる強盗事件。その間に、ひとりの夫人のなりわいが語られる。とくに印象的なことといえば、一枚の同じ紙幣がいくども現われるといったことだろうか。
二〇二〇年十月十四日 「犬の心臓・運命の卵」
きょうから、寝るまえの読書は、ブルガーコフの『犬の心臓・運命の卵』きょう、Amazon から届いた。新刊本のカヴァーの美しさに満足。
https://pic.twitter.com/mHsyyMNbFW
二〇二〇年十月十五日 「
人間」
「おはようございます。」はあるけれど、「こんにちはございます。」も「こんばんはございます。」もないんだね。日本語の不思議。
人間なる言葉を思いついた。まっさきに
人間問題という言葉が浮かんだ。
二〇二〇年十月十六日 「犬の心臓・運命の卵」
「犬の心臓」を読んだ。人間の脳みそなんかを犬の頭のなかなんかに移植する話で、移植する人間がとんでもないやつなので、とんでもない犬人間が出来上がる。そこからはハチャメチャな展開で、さいごに、もう一度リセットしなおそうとするところで終わる。なんだかさびしいさいごでした。
きょう、大谷くんからメールで教えてもらった。
人間という言葉があるって。
けさ見た夢は生々しかった。黒人女のストリップショウなのだった。ずっと、「アイマイアイ」「ワワワワワイ」という言葉が流れていた。目が覚めても、その声が聞こえてきたのだが、近くでやってる工事現場の音だったのだ。夢と現実が音で繋がっていたのだ。そんな黒人女のストリップショウなど、趣味でもない。でも、みょうに生なましかったのだ。黒人女同士のレズビアンショウまであった。そんなものは見たいと思ったことなど、ただの一度もなかったものだ。
「運命の卵」を読んだ。ある光線によって卵が無数に繁殖することがわかった。鶏が死ぬ病気が流行ったので、鶏の卵にその光線を当てるつもりだったのだが、手違いで、大蛇アナコンダやワニの卵に当てたものだから、街も村も大騒動。さいごはソビエトの気候の寒さのせいで大蛇もワニも死に騒動もやんだ。
二〇二〇年十月十七日 「世界のもうひとつの顔」
きょうから、寝るまえの読書は、アルフレッド・ベスターの短篇集『世界のもうひとつの顔』の再読。楽しみ。
https://pic.twitter.com/FXS5j1Fepn
1作目は、「時間は裏切りもの」十一年前に殺された恋人とそっくりな女性を求めつづける男に、その殺された女性からつくり出された人造人間と会わせたところ、男のほうは女を求めたが、女のほうが拒んだ。十一年もの歳月が別人と思わせたのであった。
2作目は、「マホメットを殺した男たち」タイムマシンで過去の有名人を殺して現在を変えようとした科学者がいたが、殺すたびに、自分の存在が希薄になっていくことを、もうひとりのタイムトラベラーの科学者に教えられるというもの。
3作目は、「この世を離れて」女から間違い電話がかかってくる。違う場所にいても、何度も。それで会おうとするが、会えない。ふたりは、別の並行世界にいたのだった。
二〇二〇年十月十八日 「ピー・アイ・マン」
4作目は、「ピー・アイ・マン」なにが書いてあるのか、よくわからない。よくわからないものを読むことが少なくないので、とくに驚くべきことではないが。男女の愛についての話だとは思うが、それもよくわからない。a
5作目は、「花で飾られた寝室用便器」20世紀に原爆で25世紀に吹き飛ばされた男が、25世紀では骨董品となっている20世紀の品物を盗んでは集めていた。さいごには自分と同様にして25世紀に吹き飛ばされた女性を娶って、また違う世紀に飛ぶ。
6作目は、「そのままお待ちになりますか?」人生がうまくいかないと思った青年が、悪魔と契約しようとする。契約書をつくる過程で、ごちゃごちゃとする。契約にのっとった事柄をしなかったがゆえに、契約が破棄されそうになる。こんどは天使と契約しようとする。
二〇二〇年十月十九日 「年間SF傑作選1」
さいごの7作目は、「昔を今になすよしもがな」地球でさいごの生き残りだと思われていた男女の物語。さいごの場面で、ほかにも生き残りがいたことがわかるが、それが友好的な連中かそうでない連中かわからないところで物語は終わる。
きょうから、寝るまえの読書は、『年間SF傑作選1』の再読だ。もう3、4回、再読しているが、目次を見て、思い出せる作品はゼロだ。すさまじい忘却力。古書で買ったのだが、裏表紙に書かれてある190円の価格を見て、感慨深いものがある。
https://pic.twitter.com/M4sWsAUCTW
1作目は、ホリー・カンティーンの「あとは野となれ……?」魔術を会得した青年が、倍増法をつかって、いろいろなものを倍、倍にしていく。しまいには自分をも倍、倍にしていく。そこで起こったのは? という話。国家転覆というのか内戦というのか、とてつもなく規模が大きくなる。
2作目は、バーナード・ウルフの「なくならない銅貨」タイトル通りに、ポケットのなかの1セント銅貨が無尽蔵に出てくる話だが、主人公はこわくなって、その魔法をやめてくれるように井戸のなかのものに頼む。頼みは受け入れられ、難なくすごす主人公。
3作目は、ウォード・ムーアの「マクシルの娘と結婚した男」異星人の男と結婚した女性の物語。異星人の男には、牛の乳の出をよくしたり、作物の実りをよくしたりする能力があった。そんな異星人の男を愛した女の物語。静かだが感動的なものであった。
『年間SF傑作選1』が、いま、amazon でいくらくらいするか、見てみたら、1円だった。
https://www.amazon.co.jp/%E5%B9%B4%E5%88%8ASF%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B8%E3%80%88%E7%AC%AC1%E3%80%89-1967%E5%B9%B4-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9-%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%AB/dp/B000JA9SI6/ref=sr_1_fkmr2_2?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E5%B9%B4%E5%88%8Asf%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B81+%E3%83%A1%E3%83%AC%E3%83%AB&qid=1603118450&sr=8-2-fkmr2…
二〇二〇年十月二十日 「わたしを
創ったもの」
4作目は、R・C・フェランの「わたしを
創ったもの」コンピューターに小説を書かしてみたら、それが大傑作だった。二作目をつくらせてみたら?
二〇二〇年十月二十一日 「一色真理さん」
5作目は、ロジャー・プライスの「JG」人間の言葉を理解し、しゃべれるようになったゴリラの話。悲劇的なさいごでなくて、喜劇的なさいごでよかった。
6作目は、ヘンリー・スレザーの「知らぬが仏」わずか2ページの作品だが、おもしろかった。3人の白人の科学者がインディアンのところに行く。ガイガーカウンターが鳴る。インディアンが白人たちを食べると、いままで鳴っていなかったガイガーカウンターがインディアンに対しても鳴るようになった。
一色真理さんから、詩集『幻力』を送っていただいた。詩は短いものが多いが、書かれてあることがらは、はっきり記憶に残る。レトリカルではあるが、その技術が前面に出ているわけではなく、作品の意味内容をしっかりと定着させているものだと思われる。
https://pic.twitter.com/M2bTwfpo1g
二〇二〇年十月二十二日 「為平 澪さん」
為平 澪さんから、詩集『生きた亡者』を送っていただいた。「台所」というタイトルの作品に、「カタチあるモノはいつか壊れるというけれど/いのちある人のほうが簡単にひび割れる」とあるように、随所にきらめく言葉がある。おいくつくらいの方なんだろうと思って奥付を見た。ぼくよりずっとお若い。
https://pic.twitter.com/ArmI7NHVuz
予約で本を注文した。2000年代海外SF傑作選らしい。ポイントが10%ちょっとつくのでお得だ。
https://www.amazon.co.jp/2000%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E6%B5%B7%E5%A4%96SF%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B8-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABSF-%E6%A9%8B%E6%9C%AC-%E8%BC%9D%E5%B9%B8/dp/4150123063/ref=sr_1_17?dchild=1&hvadid=335477676893&hvdev=c&jp-ad-ap=0&keywords=sf%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B8&qid=1603302570&sr=8-17&tag=yahhyd-22…
7作目は、ハワード・ファーストの「大蟻」巨大な蟻のようなものを目にしてとっさにゴルフクラブでたたき殺す教授。しかし、それがはたして、自分に敵意をもっていたかどうかはわからない。ほかの惑星からきた知能をもった生物である可能性もある。としたら、教授の行為は正当化できるか否か。
8作目は、クルストファ・アンヴィルの「別の名」アメリカとソ連が一触即発になっているとき、脳みそが戦争にまつわる重要な言葉を使えなくする装置が使われた。それで、両参謀は戦争の仕掛けをしあわなくなるというもの。
9作目は、エリザベス・エメットの「魅惑」城主が亡くなったので、その城の図書室の蔵書を整理するために雇われた司書の女性が、その城の亡くなった城主の存在を感じる。肖像画では醜い男なのだが、自分の顔にも痣があった。蔵書に城主の書いたものが見つかる。精神のすぐれた城主だったと思われる。
10作目は、マーシャル・キングの「海辺の情景」第17番惑星に降り立ったものたちと、その場にいた生物たちとのディスコミュニケーションを扱ったもの。わかりにくい叙述だった。おもしろくもなかった。
11作目は、ウィリアム・サンプロットの「雪男」新聞社のカメラマンがヒマラヤに登って、雪男の写真を撮ってくるように言われる。雪男の家族に遭遇はしたが写真は撮れなかった。
12作目は、ウォールト・ケリーの漫画「頭はつかいよう」2ページの漫画だが、どこがSFなのか、またどこがおもしろいのかさっぱりわからなかった。
13作目は、ヒルバート・シェンク二世の「エド・リアは/さほど狂っていなかった!」3ページにわたるSF詩。つまらない作品だった。SF詩ですばらしいのは、エドガー・アラン・ポオの『ユリイカ』くらいしか知らない。
14作目は、R・プレットナーの「てっぺんの男」途中まで飛行機で山に登った男がてっぺんに着くと、山の聖者がすでにきていて「ここまで歩いてきたのですか?」と言われる話。ぼくの目から見て、SFではなかったし、さほどおもしろいわけでもなかった。
15作目は、ジョーゼフ・ホワイトヒルの「家の中」はじめて読んだときには、びっくりさせられた物語だった。ただ夫婦の日常生活を描いただけのものなのだが、妻を「別もの」として表現してあるため、何者かわからずサスペンスフルな作品となったのである。さいごに、妻の一言で物語の仕掛けがわかる。
さいごの16作目は、レイ・ブラッドベリの「怪しい世界を真剣に探る」宇宙から発信された電波を受信するという、いわゆる「オズマ計画」を中心に、宇宙人との交信という問題から宇宙人の生態についてまで、詳細に書かれてある。前作「家の中」と同様に、これもSFではないだろう。少なくとも狭義の。
きょうから、寝るまえの読書は、『年間SF傑作選2』の再読である。これももちろん、3、4回読み返している。目次を見ると、憶えているのは、ロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」と、コードウェイナー・スミスの「ショイヨルという星」の2作品のみ。Amazon で価格を見たら、200円だった。
https://pic.twitter.com/7b2km0SIxf
「たんぽぽ娘」が新しく編集されて本になるまで、集英社コバルト文庫の『たんぽぽ娘』と、この『年間SF傑作選2』にしか「たんぽぽ娘」が収録されていなかったので、かつては高かったのだけれど。集英社コバルト文庫の『たんぽぽ娘』は、検索して調べると、いまでも、Amazon で9803円もしてる。
『年間SF傑作選1』は、正直言って、レベルがいまいちだったけれど、『年間SF傑作選2』は、コードウェイナー・スミスの「ショイヨルという星」1作でもってよし、ときて、ロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」があることで、十二分に傑作選なのであった。再読が楽しみ。
二〇二〇年十月二十三日 「星からの道」
1作目は、カーティエ・ハールパットの「星からの道」男女の老人たちがピクニックしたりしているのだが、話がいっさいわからない。SF風味もいっさいない。なんじゃ、こりゃ、という物語。1ミリもおもしろくない。
わからないのは、ぼくの読解力がないためかと思い、読み直した。ラジオ短波で通信のやりとりをしていた主人公の老人に、土地を分けてもらおうとする相手が、なんと地球人ではないとニュアンスで綴られる。これがわからなくさせてる原因。宇宙人とはっきり書かない。老人は土地を奪われると怖れる。相手の宇宙人は、奪おうなんて思っていない。というわけだが、さいごは、老人の友だちの老女のところに、みんなで行こうという話になる。宇宙人は子どもも入れて総勢7人。ほのめかしの手法が多用されてて、わかりにくかった。あんまりわかりにくい作品だから、これからもう1回読み直す。ほのめかしって、高度な技術だから、わかりにくくてやだな。ホラーならまだ許せるけれど、SFでほのめかしなんて、なしだよね。ぼくは、SFは直球が好きなの。主人公の老人は齢をとって引退してから村に引っ越してきた。村の住民は6軒。老人の趣味はラジオ短波で人と通信すること。その通信に、宇宙人が出てきて、土地が欲しいと言う。主人公の老人の友だちの老女がひとのいない邸を持っていて、彼らにそこをあてがおうとするところで終わる。まとめるとこう。途中に、ピクニックが出てきたりして、話を膨らませているところが、えらい。さいごのところも、ほのめかしで、いま人の住んでいない邸の「(…)鍵は彼女がもっている」で終わる。難民の宇宙人の話だったというわけ。評価が変わっちゃった。この「星からの道」傑作だったわ。
二〇二〇年十月二十四日 「ダング族とともに」
2作目は、ジョージ・P・エリオットの「ダング族とともに」大学に勤める者がフィールドワークで、一部族のなかで、戦士となり、予言者となって、また大学に戻って教授となる話。SFではない。
二〇二〇年十月二十五日 「〝ただちになんなりと〟」
3作目は、ロバート・ビバリー・ヘイルの「〝ただちになんなりと〟」画家の話。脈絡のない話。未来人らしき女性が現われる。
二〇二〇年十月二十六日 「シナの茶全部」
4作目は、デヴィド・ロームの「パーキー」芝居小屋に雇われているテレパスが、異世界の者に目をつけられて、という話。ただそれだけ。
5作目は、ジュリアン・F・グローの「早撃ちの死」西部劇の時代に、異星人の武器を手に入れた男の話。この物語は憶えていた。
6作目は、R・ブレットナーの「シナの茶全部」悪魔との取引モノである。悪魔をとらえる罠を仕掛けた男がシナの茶全部を欲しいと言って、悪魔を解放する約束をする。約束は果たされた。シナの茶の莫大な量に押しつぶされた男の家と男。この話は憶えていた。
二〇二〇年十月二十七日 「たんぽぽ娘」
7作目は、ロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」もう5、6回は読んでいるだろう。この巻でも、集英社のコバルト文庫の『たんぽぽ娘』でも、また河出書房の奇想コレクションの『たんぽぽ娘』でも。なんべん読み直しても楽しめるすてきな作品だ。
8作目は、J・F・ボーンの「エディの受賞」ノーベル賞が癌を95%治すコンピューターに授けられようとする話。
9作目は、マック・レナルズの「自由」冷戦後のソ連側の反体制派の話。SFというよりは政治話。
二〇二〇年十月二十八日 「クエーカー砲」
10作目は、フレデリック・ポール&C・M・コーンブルースの「クエーカー砲」戦争もので、プランク・タンクという無感覚にさせる拷問を二度も受けた者が情報を漏らしたことで、戦争に勝つように計画した話。おもしろくなかった。
11作目は、キッド・リードの「ユダの爆弾」若者がギャングとなって跋扈している社会。20歳で死ぬことになっているが、20歳を過ぎても生きられる道はある。おっさんと呼ばれる連中だ。若者たちはおっさん連中がつくる爆弾で殺し合う運命である。
12作目は、ジョン・ハースの「秒読み」宇宙飛行が珍しくもなくなった時代の話。オンボロ宇宙船に乗り込む男の話。
二〇二〇年十月二十九日 「ショイヨルという星」
13作目は、フリッツ・ライバーの「ビート星群」宇宙空間に出たビート族が地球に返送されそうになった話。芸術家や科学者など、さまざまな人間からなるビート族が地球に返送されると放送されると、管理者が、それは困ると言い出す始末で、さいごは地球に返されないというところで終わる。
14作目は、コードウェイナー・スミスの「ショイヨルという星」スミスの作品は、どれも独特な、異様な雰囲気を持つものだが、この作品ほど異様なものはない。究極の地獄を描いたものだが、さいごに救いがある。コードウェイナー・スミスの本はコンプリートに集めた。
二〇二〇年十月三十日 「長い夜」
15作目は、ジョン・ウィンダムの「アステロイズ 二一九四年」宇宙基地となった、ニュー・カレドニアの話。ジョン・ウィンダムは大好きな作家だけど、これはおもしろくなかった。
さいごの16作目は、レイ・ラッセルの「長い夜」魔法使いに吸血鬼にされたアルゴー三世は死ねなかった。血もないし、死をもたらせるものもなかったので、苦しみだけ。という状況。
二〇二〇年十月三十一日 「年間SF傑作選3」
きょうから、寝るまえの読書は、『年間SF傑作選3』の再読である。
https://pic.twitter.com/xVSknWFLs4
1作目は、ジェラルド・カーシュの「不安全金庫」弗素八0+なる物質が爆発しないように難儀する人々の物語。つまらなかった。ジェラルド・カーシュは好きな短篇作家だけれど。
2作目は、R・A・ラファティの「恐怖の七日間」見つめたものが七日間、消滅する装置をつくった子どもがいる。七日後に、消滅したものが出現する装置をつくった子どもがいる。兄と妹の兄弟だ。天才家族のお話。
3作目は、ハリー・ハリスンの「玩具店」なにやら奇妙な仕掛けの装置を売りに出している二人の男。宇宙上昇の研究につながる代物だそうだが、あまりよくわからない話だった。