どうゆうゆめ
竜門勇気


どんなに新しくて
いい匂いがすることも
僕を捕らえられやしない

しまりのない顔で
へらへらと笑いながら
台無しになったケーキを
踏んづけて歩いていく

クソのようだな、お前は
そうですか、どうぞクソのパイを召し上がれ
無限に渋くて飲めない紅茶を
無限に甘くするためあんたは粉砂糖を掬う
”立派な大人になりたいの”
どんな夢だよ腐って終われ

僕の世界について
ここは最悪のジョークと
出来損ないの皮肉と
食べられないトリュフが歩き回る
テーマパーク・オブ・パーフェクション
気持ちいいだろ?おい、死にぞこない

猫背のガキが弁護士に電話
”なんて無意味で、私達は立ち上がった!”
猫の弁護士は爪とぎに夢中さ
これからごちそうを食べるんだ、きっと

風が吹いていることに
気づかないでいた
前髪にポマードを塗るんだ
どっか行っちまわないように

ブタのヘドを啜ってるほうがまだマシな気分だ
ボケた話をずっとしてるくらいなら
お望み通りのなにかに変身
期待通りなだけの陳腐な爆発物
最悪のとある日に最悪のとある閃光
どんな夢なんだ?
目を覚ましたら温かい飲み物と
懐かしい映画が待っているのか?

どんなに新しくて新鮮で
今起こったことでも
僕を引き止めることはできない
過去を作り続けてるのさ
すべてを過去にして夢を見ている
これから起こることよりマシな気がするんだ
すべてを過去にして夢を見ている



自由詩 どうゆうゆめ Copyright 竜門勇気 2022-06-05 23:00:31
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