ひとりぼっちの幸福くん
涙(ルイ)

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雨が降ると哀しくなる奴と
雪が降ると元気になる奴って
どっか 共通点ありそうな気がする

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『春・夏・秋・冬
どの季節が一番好き?』と彼女
『哀しい思い出を連れてこない風がふく季節』
とボク

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みんな去ってしまった
みんな去ってしまった
どっちが先にキライになったとか
どっちが先に見切りをつけたとか
そんなのもう どうだっていい
だってもう ボクのそばには
誰ひとり いやしないんだから
それがすべての答えなんだから

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ウソがホントで ホントがウソで
あるときはホントで あるときはウソになる
言葉の持つ顔は 計り知れない

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本当は知っているくせに
とっさに知らないふりをしてしまいました
なんだか そうしたほうがいいような気がして
それってやっぱり小ズルいですか

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幸福か不幸かなんて
そんな個人的なこと
他人からごちゃごちゃ云われたくない

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いつか 幸福という日が
ボクの心に訪ねてきたそのときは
部屋じゅうに花を飾って
一緒にローズヒップティを飲もう
お互いの孤独だった途の話でもしよう
ボクは幸福が何色をしているのかを
その日の日記にそっと記しておくとしよう
幸福さん 幸福さん すぐに帰ったりしないでね
なるべくゆっくりしてってね
いつ来てもくつろげるように
部屋は綺麗にしておくからさ

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笑うことは 難しいことだと思っていました
作り笑いはただ 顔に皺を作っているだけで
顔の筋肉も精神も どっちも疲れてしまうばかり
笑うことは 難しいことだと思っていました
だけど どうしてでしょうか
貴方といると いつも笑っている自分に気が付くのです
ウソの笑いじゃなく 心から笑っている自分に気づくのです
どうしてこんなにも笑っていられるのでしょう
どうしてこんなに心地よいと感じられるのでしょう
貴方は 私を笑わせる天才なのかもしれません

笑うことは 難しいことだと思っていました
難しいことだと 思っていました

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自由詩 ひとりぼっちの幸福くん Copyright 涙(ルイ) 2022-05-27 20:31:19
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