夕方
はたらくくるま
わたし、気がついたの世界は夢。
緑色のモヤの中に揺れる、オレンジ色の老婆。
あれはいつからなんだろう、ずっと刹那の中で13年目の春に。
生きているうちに見れるだろうか、夕日と木星の分岐点を。
それはきっとお母さんの作ったシチューよりも茶色くて眩く光るだろう。
きっと、知っている人だけなら、どれだけそうだっただろう。
よほどの事情があったんだろう。
その子供の歯はブラックホールのようだった。
彩ではなく、形容としてのそれ。
あぁ、私は死ぬんだ。50年後のその半島で。
白い顔をした猫は私の日記を音読して喉を鳴らしている。