それぞれの戦い(三)
朧月夜

戦士エイソスは数十名の兵士たちをまとめあげた。
そして、敵陣に攻め込むための小隊を編成する。
そこに立ちはだかった者があった。アイソニアの騎士である。
「戦士エイソスよ、久しぶりだな」

アイソニアの騎士は千人隊長として、騎馬に騎乗していた。
戦士エイソスも同様である。ゆえに、間合いが勝負となる。
「アイソニアの騎士よ、なぜクールラントを裏切った?」
「裏切った? 裏切ったのはクールラントのほうではないか」

「こんなことを話していても、埒が明かぬな。いくぞ!」
戦士エイソスはアイソニアの騎士に向かって剣戟を加える。
二人の戦士は、この二年間の間にも研鑽を積んでいた。

しかし、アイソニアの騎士の魔剣ゾフィアスのほうがわずかに長い。
戦士エイソスは苦戦を強いられた。その間にも、
アースランテの兵たちは徐々に、着実に、撤退していく。


自由詩 それぞれの戦い(三) Copyright 朧月夜 2022-05-06 14:20:08
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クールラントの詩