Narcissus
あらい
出来損ないの盃に移し出すは何故か蝕み、几帳面で無抵抗な横文字の
澄み切った稜線が紅葉する。スターライトの残滓と垂涎を引き起こし
咲いて実を結ぶ、瑠璃眦の庭園に囚われながら
はしためにも明度、支度現場は戦場であり
純文学を脱臼させ粗さがしの真鍮を躑躅に変え
夏のような照り返しがまた洪水のように襲ってくるのだろう
こちら、重力はあちら側から屈折した気配だけを、
右から左にただひたすら流しては隠し立てる 黄金比と
組み敷いたのかもしれないが、
青少年の手の内にはきっと茨姿の刺青が伝い、甘えのような
夜の海に嚙み合わせたのだと知らしめるように
ルミナスの薄幸楽器を地下水から引き上げる作業は厚化粧で
見本市を訪れた黒子の数に等しくあたる、自然に空いた竈に業火をみて
注がれる速度にオートマタとは言わずもがな。だが
ちからはおおきくもなく心置きなく街を行く
丸暗記を繰り返した悪酔いは遊覧飛行に
諸説を突き入れたものだと
御者のない揺り籠に乗り込んでいたのでしょう
奇想奇天烈な心臓の拍動に縫い針を落としていく(そっとして、おいて)
皮下脂肪に青い薔薇の活舌と冷戦をひたすら(、詰める。)
母親の、従順な釦と精巧な耳鳴りを
君と、さかさまの惑星間で、無機質な道徳を、
間違いだらけの祝日に「ほらあげるよ。」
可視角(かしかど)から眺める渡線橋と水平に亘る
アスファルト、ようとした 亀裂
これが水割りのエメラルド、削られた星屑から妹を救出しただけの、
非公式な午後の一端なのですよと微笑して
「わたしたちはこうしていかされているのですよ。」