落花
秋葉竹



あおいブランコが
艶めかしい金髪みたいな
風の中
閉ざされた午後の公園で
ゆうらりと
ゆうらりと
ゆらされていた



目にみえる
死人に
いのちはあるのだろうか?
ふるえながら
噴水の向こうの世界に
尋ねたのだ



色にたとえるなら
てんしみたいなやさしい吐息をはく
囚われのこころが
金色の髪に見惚れてしまう瞬間だったろう



たそがれを待たずに
花びらを大切に守っていたのに
ゆれうごくブランコのすぐそばで
花は散った



目にみえる
死人に
いのちはあるのだろうか?
もう一度尋ねたわたしの
渇ききった首すじを
艶めかしい風が舐めてゆくのが
すこしだけ
冷たい












自由詩 落花 Copyright 秋葉竹 2022-05-05 22:37:51
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