連合軍の反撃(二)
朧月夜
「オスファハンは我を裏切ったのか……」ハッジズは唸る。
「彼とて、聖王の命令には従うしかなかったのでしょう」
侍従長ドラガスは、慎重に言葉を選びながら言った。
「今、ライランテは混沌としている。新しい秩序が必要なのだ。
それには、我々がライランテ大陸全体を、統べるしかない。
侍従長ドラガス・リンディアよ、貴公は今何を思う?」
「そうですね。まずはラゴス北部からの撤退です。
ヒスフェル聖国がどれほどの軍事力を有しているのか……
それは実際に目にしてみなければ、分かりますまい。
場合によっては、本国軍が全滅することも考えられます」
「連合国軍は余の首を求めるであろうな。しかし、余の世継ぎはまだ成人していない」
「はい。クレール様がこの国を治めるには、まだ年が若すぎます」
「問題は、どこまで撤退するかだ。そうであろう?
ラゴス中南部はすでに我が国の領域。しかし、連合軍が進駐してくるとすれば……」
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クールラントの詩