連合軍の反撃(二)
おぼろん

「オスファハンは我を裏切ったのか……」ハッジズは唸る。
「彼とて、聖王の命令には従うしかなかったのでしょう」
侍従長ドラガスは、慎重に言葉を選びながら言った。
「今、ライランテは混沌としている。新しい秩序が必要なのだ。

 それには、我々がライランテ大陸全体を、統べるしかない。
 侍従長ドラガス・リンディアよ、貴公は今何を思う?」
「そうですね。まずはラゴス北部からの撤退です。
 ヒスフェル聖国がどれほどの軍事力を有しているのか……
 
 それは実際に目にしてみなければ、分かりますまい。
 場合によっては、本国軍が全滅することも考えられます」
「連合国軍は余の首を求めるであろうな。しかし、余の世継ぎはまだ成人していない」

「はい。クレール様がこの国を治めるには、まだ年が若すぎます」
「問題は、どこまで撤退するかだ。そうであろう?
 ラゴス中南部はすでに我が国の領域。しかし、連合軍が進駐してくるとすれば……」


自由詩 連合軍の反撃(二) Copyright おぼろん 2022-04-29 14:00:29
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
クールラントの詩