雨上がりの街角
ひだかたけし
降り続いていた雨が止み
今日は薄日が射している
おまけにうっすらあったかい
おれは胸いっぱいの共感に
包まれ街に入っていく
街では陽気なコーラスが
もうひっきりなしに響いていて
老婆や幼子の破顔一笑
天に昇り溶けていく
(おれは彼らに綿菓子を買った
彼らはうまそうにそれを食べた)
それから街の陽気なコーラスは
禁忌の一線を遥か超え
天高く響いている
老婆や幼子が顔をくしゃくしゃにし
大人の消えたこの街で
天真爛漫に踊り続ける
降り続いていた雨が止み
今日は薄日が射している
おまけにうっすらあったかい
おれは沸き起こる共感に
うっとり何処までも包まれて
たましいを薄日に晒していく
たましいを薄日に晒していく