アジェスの森の戦い(八)
朧月夜
大抵のドラゴンは多数の精霊の加護を受けている。
しかし、召喚されたドラゴンに関しては別だった。
召喚されたドラゴンは、通常の半分ほどの属性しか持っていない。
その属性には、召喚者の属性が色濃く反映される。
ヨッホ・ガルデスの企みは当たった。
ラゴス軍のドラゴンは闇の属性をもっていなかったのである。
「今こそ、反転攻勢の時だ、槍兵たちはワイバーンの背に乗れ!」
エリス・ガザンデは叫ぶ。
「ドラゴンの召喚時間など、五時間にも満たない。
その前に、なんとしても二体のドラゴンを屠るのだ! 我々は、
ラゴスの軍隊に劣っているわけではない。むしろ追いつめていると思え」
アースランテの兵たちは、また勢いづいた。
「我々には高名な魔導士たちがついている。この戦いに勝利出来るのだ!」
アースランテ軍の士気は上がった。
この文書は以下の文書グループに登録されています。
クールラントの詩