夏のはじまりのヌード
草野大悟2

こぼれおちていった色たちを  
奮いたたせることができますか

やわらかなうす水色が
風をふくんで
ゆっくりと 空いっぱいにひろがれば  
あの ぶきみな瞳も
きえるはずです
  
たいせつな たいせつな
夏のはじまりのヌードが
ヒリヒリと溶けていこうとしているのに
なんにもしないのですか
あなたは

しらぬまにモノクロに色づけされる
色たちの叫びに
耳をとざすのですか
それとも
アテナが黄金のペガサスにのって
姿をあらわすときまで
ずっとずっと待ちつづけるつもりですか

けされたはずの瞳が
ほら
もう、嘘をついています  


自由詩 夏のはじまりのヌード Copyright 草野大悟2 2022-04-18 11:12:13
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