ワイジェの丘の戦い(十)
朧月夜

結界を作り出すためには、大量の魔法素子を必要とする。
それゆえに、大抵の結界は時間とともに消失してしまうのである。
アイソニアの騎士は、苦戦しながらも、
魔獣メゾポンテの二本の首を切り落とした。

今、アイソニアの騎士とフランキスとは一対一である。
アースランテ兵は逃げまどい、クールラントの兵たちは、
包囲陣からの脱出を試みようとしていた。
その中で、勇敢な者たちは、まだ戦いを続けていた。

「アイソニアの騎士よ、この剣戟が受けられるか?」
「は。なまくらの剣だな。俺の魔剣ゾフィアスのほうが強い」
しかし、それはアースランテの騎士の誤解だった。

フランキス・ユーランディアは、この二年の間に、
魔剣ゾフィアスをも上回る剣を作り出していたのである。
アイソニアの騎士は、フランキスの攻撃に驚いた。


自由詩 ワイジェの丘の戦い(十) Copyright 朧月夜 2022-04-18 09:00:16
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クールラントの詩