夜中
父との長電話
語る語る
どんどんしゃべるね
そんなに
戦争が好きか

なんちゅーヤツだ

そんな事
どう考えたって
言えっこないけど
やんわりとなら
伝えられるかもしれない

娘として
父のそんな所は
全く恥ずかしい限り

だってさ
人が虐殺されてんだぜ？
レイプされて虐待されて
殺されてんだぜ？

それがそんなに
面白おかしいのか？

そんなに
楽しそうに
愉快に語るものなのか？

違うだろ
そうじゃないだろ

そろそろ寝るから

私の一言で
父のしゃべりは
ようやく止まった

私は怒っていた
父にロシア兵に戦争に

こんな残酷な事を
人がやっちゃいけないだろ

やるべきじゃないだろ
狂ってるよ
おかしいよ

怒りで出て来た
アドレナリンを
よく冷やしたビールで
沈めた

そして
ようやく
寝床に入った