ブチャの春
ひだかたけし

時は春の暖かみ
散乱するノイズ
辺り一面の死体
殺戮は不断に隠蔽され 
花吹雪が街に舞う
涙が溢れて
光が散乱して
此処は業火の世界
善悪の区別なく
焼き尽くされ
すべてが
灰塵に帰す

やがて
途方もない高みから雨が降り
後ろ手を縛られた死者の目から
赤い血のなみだが路上を濡らす

やがて
途方もない高みから雨が降り
赤い血のなみだが路上を濡らす













自由詩 ブチャの春 Copyright ひだかたけし 2022-04-09 20:09:26
notebook Home 戻る