夜目の灯
あらい

道端の石ころ一つ拾うにも飽和した農地
横から支える紺碧の空
いつか春の残り香、この光は眩しくて
愛してる
一緒にいて
魂を投げ出して
壮大な歴史絵巻はボロボロの無風帯
かけがえのない、絆、なんと黒い
嫌になるほど熱い
目を通して微かに病巣を隠す、サインズだ
夢見る子守唄を胸に風下に佇む風車は
時にその鍵を見せる
(ここにいてもいいんだ)
永遠をなぞるように道を描いている移設された東光は
とても暖かく
あまりに冷たく
とうに暗いので
泣きそうな歯がゆさが全身を凝視している
砂に埋めたラブレターが
私の首を絞めて死んでしまうのだろうか。
それとも赤い靴ひとつで餓死してしまうのだろうか
いまは大きな拍手に包まれて、
私は、
笑顔で「よろしくて。」と強請った。


自由詩 夜目の灯 Copyright あらい 2022-04-07 23:39:34
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